ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第1147話 1994年岡山臨港:山陽路保存車の落穂拾い(その2)

岡山臨港鉄道は、1984年に国鉄の貨物合理化の犠牲で廃止されました。私が最後に訪問したのは高校生時代の1980年でした。今回は、廃止10年後の保存車の様子ですが、時間がなかったので気動車の確認はできず、機関車だけの報告です。

 

1.DC102(保存) (岡山臨港鉄道本社臨港元町:1994年3月) 

さて、情報によれば元機関区のあった南岡山付近にDC102が保存されているとのことで、まずは南岡山へ・・・。しかし鉄道廃止後は、どうやって南岡山まで行けば良いのか全くわからず、岡山駅前のバスターミナルの案内所に駆け込みました。案内所では多くのバスが走っていることがわかりました。これでは岡山臨港鉄道が旅客鉄道として存続しなかったわけが納得です。

 

2.1.DC102(保存) (岡山臨港鉄道本社臨港元町:1994年3月)

早速、バスに乗り南岡山を目指しました。案内所で教えてもらった臨港元町バス停で下車すると目の前に機関車が・・・・。

 

3.1.DC102(保存) (岡山臨港鉄道本社臨港元町:1994年3月)

保存車はDC102(注1)でした。DC102は現役時代には、庫内に押し込まれていたため撮影できなかった機関車の内の1両でした。廃止後10年も経ってから撮影できたとは、複雑な心境でした。

 

4.1.DC102(保存) (岡山臨港鉄道本社臨港元町:1994年3月)

岡山臨港鉄道は路線廃止後も社名を変えることなく、物流倉庫や不動産会社として現存しています。元南岡山機関区の近くにある、その会社の本社前に保存車はありました。そして、この保存車のすぐ横は道路化されたかつての路線跡でした。

 

5.1.DC102(保存) (岡山臨港鉄道本社臨港元町:1994年3月)

(注1)DC102の車歴

・岡臨DC102:1952年汽車会社製

DC102は専用線時代からのSL無煙化のため導入されたDC101の増備車でした。L型20t機でジャック軸付きのロッド駆動ですがトルコン車です。導入当初から社線内の貨物輸送専用でしたが、後にDD13クラスの55t級DLが導入されると入換機に転じました。

 

6.1.DC102(保存) (岡山臨港鉄道本社臨港元町:1994年3月)

岡山臨港鉄道が自社で保存したのは、このDC102だけでした。同僚の20t機であるDC101は路線廃止直前に廃車となり、同じく同僚のDC103は廃止時に他社へ引き取られ、55t機2両は水島臨海鉄道へ譲渡されました。そして、気になる気動車はキハ1003が廃止直前に紀州鉄道へ移籍し、その他は何らかの引き取り先に譲渡されましたが、ことごとく解体されて、最後まで残ったキハ7003はどうなったのか?せめてこの当時に保存気動車を見ておけば良かったと、今さら後悔しています。