那珂湊機関区には、恐らく新車が導入されたら廃車になるだろうキハ11形が、ちょうど日なたに出ていましたので、塗装のことは目を瞑って、真面目に撮影しました。
1.キハ112 (那珂湊:1995年5月)
キハ11形と言えば、液体式気動車量産化となった記念すべき国鉄キハ10系一族です。思えば、この系列からDMH17の羽交い絞めが延々と続いたわけですが、いよいよ直噴式DMF13HZの新車に追いやられる時が間近となりました。
2.キハ112 (那珂湊:1995年5月)
この車両を改めて見ると、前面貫通型、バス窓やプレス鋼板台車など、デビュー当時は旧態然としたキハ42000系から脱却した、無煙化の新しい時代を担う気動車だったことが伺えます。ちなみに、このキハ112はその後記念物として鉄道博物館に殿堂入りし、現在も川越線の車窓からただで見ることが出来ます。
3.キハ112 (那珂湊:1995年5月)
この時は、もうこれが見納めになるだろうと、真面目にいっぱい写真を撮りました。ところが、その後キハ11形は「撮り鉄」相手のイベントに活路が開かれ、国鉄気動車の旧塗装に塗り替えられて廃車どころか、まだまだ一稼ぎも二稼ぎもすることになります。少なくとも、この時はそんな事になるとは全く思っていませんでした。
4.ケハ601(廃車),キハ1103(廃車) (那珂湊:1995年5月)
そして、最後は茨交の湘南コンビです。とは言っても、すでに2両とも廃車留置です。いつまでこの状態が続くのか?
5.ケハ601(廃車) (那珂湊:1995年5月)
ケハ601は1992年5月の廃車なので、廃車になってからちょうど3年が経ちました。車体は錆びないステンレスなのでいつまでも現役車両以上にピカピカです。
6.キハ1103(廃車) (那珂湊:1995年5月)
キハ1103は1991年3月の廃車なので、もう4年もこのままです。さすがに外板は痛みがひどくなっていました。
さて、この日は私の引っ越し日でした。翌日から大阪の生活が始まりますが、そうなると那珂湊へは簡単に出向けなくなります。次回の訪問はいつになるのか?キハ11も湘南気動車もこれが見納めになるのか?少々心残りでしたが、私は大阪が大好きなので、それからがお楽しみでした。