ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第1276話 1998年海外編(ブリュッセル):なぜ、ブリュッセル?(その2)

それでは、ここからブリュッセルのトラムを追いかけた撮影記録です。1998年当時のトラムは15系統が運行されており、路線長が133.6㎞もあり、短い滞在期間中に全線を巡ることは困難でした。

 

1.2051編成 (94系統Park~Royal:1998年7月)

ブリュッセルには2泊しましたが、自由行動は実質1日で滞在中はずっと雨。それでも自由行動を利用して、ゴルフに行った方がいたのには恐れ入りました。さて、ゴルフに行かない人達は美術館巡りを誘われましたが、私は例によってブリュッセルを彷徨うことにしました。雨なので気の重い撮影となりました。よって、宿泊していたホテルに近い場所から攻めてみました。まずはホテルの目の前を走る92,93,94系統です。

 

2.今回の撮影地点(路線図は1998年当時のもの)適宜拡大してご覧下さい。

 

3.今回の撮影地点拡大図(路線図は1998年当時のもの)

 

4.2047編成 (92系統Botanique~Gillon:1998年7月)

この通りは「ロワイヤル通り」と言う幹線道路です。この路線には、当時92,93,94系統が運行されていましたが、いずれも新車の2000形が充当されていました。この2000形は、1993年~1995年に51編成が導入されました。ボンバルディアとアルストームの共同開発ですが、STIB独自のLRVなのか他では同類を見ない不思議な車両です。

 

5.2047編成 (92系統Gillon~Botanique:1998年7月)

私は新しい車両には興味がなかったのですが、この車両は見たことがない変な台車を履いており、とても気になりました。

 

6.2012編成 (94系統Gillon~Botanique:1998年7月)

2000形の車両構造は、2軸の短い中間車に両先頭車の連結側が担がれた独特の3車体構造です。これを連接構造と言うべきか?。台車はハブモーターを使用した独立車輪を使用しており、100%超低床LRVです。そして、先頭車の台車後輪は、小径の遊輪となっており、いわゆるマキシマム・トラクションタイプですが、これは小径車輪部の低床化を実現するための苦肉の策の様です。

 

7.2047編成 (94系統Botanique~Gillon:1998年7月)

実はSTIBにこの台車を見せてもらいましたが、小径輪を支える台車枠が前輪を支えるメインの台車枠にぶら下がるリンク機構になっており、要するに小径輪が首を振る構造になっていました。これには目が点になりましたが、かなり複雑な構造で奇怪な台車です。LRVの台車はメーカー間でしのぎを削った結果、様々なタイプが生まれましたが、この台車はその中でも最も特異な台車だと思われます。

 

8.2028編成 (92系統Botanique~Gillon:1998年7月)

さて、私は新しい車両には興味がないので、2000形の様子はこの程度にして、次回は古いトラムを探して郊外に踏み込みます。