ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第18話 1978年別府・片上 山陽路の非電化私鉄早回り(その2)

この日は”早回り”で時間に余裕がないので、ゆっくり見物などしていられませんでした。足早に撮影をしたら次の目的地へ・・・

 

1.土山線の始発列車 DB201+ハフ7別府港:1978年3月)

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この日も土山線はハフ7が運用に入っていました。まもなく土山線の始発が出発ですが、始発列車は貨物なしの身軽な編成です。この日は乗車はせずに”お見送り”です。

 

2.今日も予備車のハフ5別府港:1978年3月)

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そして、ハフ7が仕事に出ればハフ5は休業です。ハフ5は相変わらずブサイクな表情ですが、なぜか憎めません。この武骨な元気動車ですが、一度くらいは乗って見たかったです。しかし、それは叶いませんでした。

 

3.DD1351そして後ろに・・・別府港:1978年3月)

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この日別府は早回りのスタート地点だったので、とにかく撮影したら次の目的地へ行かなければ、その日のノルマが達成できません。そんなわけで撮影中は気にもしませんでしたが、DD1351の後ろにいたのは見かけぬ顔です。これも後から分かったことですが、別府はこの年、新日鉄から中古の機関車を購入しました。どうやらそれがDD3151の後ろにいた車両の様です。その新入りの機関車は新日鉄の番号をそのまま引き継ぎ、別府でもDD502(注1)と名乗りました。さすがに元製鉄所の機関車だけあって力持ちで、晩年の主力機となりました。

(注1)DD502の車歴:別府DD502←新日鉄DD502:1962年日立製作所

 

一通り撮影したら、早々に次の目的地である片上鉄道へ移動です。この日はキハ2が運用に入っていたので、せっかくのチャンスを無駄にすることなく、時間はかかりますが野口線のキハ2に乗って別府を去りました。

 

4.和気駅に集う旧国鉄の機械式気動車 (和気:1978年3月)

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野口から高砂線のキハ20に乗り換え、続いて加古川から山陽本線で和気へ、ここから同和鉱業の鉱山鉄道だった片上鉄道が接続していました。片上鉄道は結構大きな鉄道で、多くの元国鉄気動車や鉱石列車を牽引する55tクラスのDLと大量の貨車、そして“片上のブルートレイン”と言われたオープンデッキの青い客車がいました。和気は片上鉄道の中間駅で、車庫は起点の片上にありました。全線が33.8kmもあり、まずは乗ることを優先し、とりあえず柵原へ!!。

 

5.和気で対面した元国鉄キハ42000形(和気:1978年3月)

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和気では元国鉄キハ42000形のキハ703(注2)に出会いました。本当はこれに乗りたかったのですが、これは逆方向の片上行き。片上鉄道ではある時期に気動車前照灯を2灯化して腰部に位置変更し、前面窓を2段から1段化する改造を行い、独特の片上スタイルを確立しました。結構スマートですが、私はやっぱりオリジナルの方が好みです。片上では同形車が3両(キハ701~703)在籍しましたが、キハ701は1972年に水島臨海に転じ、キハ703は1981に廃車。最後まで残ったキハ702は廃止まで活躍して現在も吉ヶ原にて動態保存されています。

(注2)キハ703の車歴:片上キハ703←国鉄キハ42507←国鉄キハ42046:1937年新潟鐵工所

 

6.別府キハ101の兄弟車 (和気:1978年3月)

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私が乗った柵原行きは元国鉄41000形のキハ303(注3)でした。この車両はさっき別府で会ってきた別府のキハ101との兄弟車です。正直こちらの方が綺麗でイキイキとしている様な気がしました。当時同形車が3両(キハ302,303,305)在籍していましたが、キハ302,305は1981年に廃車となり、このキハ303は廃止まで活躍し、キハ702と共に動態保存されています。

(注3)キハ303の車歴:片上キハ303←片上キハ3003←国鉄キハ41071:1934年川崎車輌

 

7.1977年山陽本線の車窓から垣間見た片上の編成(和気:1977年8月)

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この写真は1977年の別府訪問の帰りに、山陽本線の車窓から撮った和気駅の片上鉄道の様子です。当時は山陽本線のいくつかの駅では、このようなローカル鉄道が接続しており、タイミングがよければ車両に出会うことができました。

 

片上鉄道に乗ったのはこの日が初めてでした。吉井川に沿って風光明媚な路線ですが、昨晩の睡眠不足のおかげで、せっかくの柵原までの気動車の旅は往復とも爆睡してしまい残念ながら殆ど記憶にありません。柵原は鉱山の町ですが、これもすぐに折り返したので車両の写真も撮らずじまいでした。柵原まで往復すると結構お金も時間も掛かりました。もう昼になり先を急がねばならず、片上行きは諦めて岡山に急ぎました。