ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第494話 1990年片上:山陽路ローカル私鉄の落日(その3)

2日目の朝は、非常に寒い朝でした。日の出と共に霜が降り、一面真っ白になりました。撮影の合間は中山駅の待合室で寒さをしのぎました。

 

1.キハ312 (中山:1990年12月)

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 中山駅は絵になる無人駅でした。有名な中山サーキットの近くですが、この駅を利用する人はまずいません。それどころか地元の利用者も果たして何人いるのか?

 

2.キハ312 (中山:1990年12月)

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 キハ312は、中山駅に停車したものの乗降客はおらず、静かに出発して行きました。ちなみにこの列車は片上発の和気行きです。第493話で撮影した片上ブルートレインのお尻にぶら下がっていた気動車は、この車両が和気から回送となり連結されたものでした。

 

3.キハ802 (益原:1990年12月)

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 陽もすっかり上がり、晴天となりました。今度は和気から柵原方面に向けて、移動しながらの撮影です。まずは、益原駅に停車中のキハ802です。キハ800系はグループ会社の小坂鉄道から機関車とのトレードでやって来た車両でした。片上では一番若い戦後製の車両で、日車の私鉄向け標準型気動車です。デザイン的にも素晴らしい車両ですが、わざわざ片上まで来て撮影したい車両ではありませんでした。やはり片上では戦前製の国鉄型機械式気動車の成れり果てを撮影しなければ意味がありません。

 

4.キハ802 (益原:1990年12月)

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 2日目は和気駅のレンタサイクルを利用しました。この辺りまでは比較的平坦で、なんてことありませんでしたが、この先はアップ・ダウンがあり、結構難儀しました。しかし列車本数が少ないので、移動しながらの撮影には、レンタサイクルがちょうど良かったです。

 

5.河本駅 (河本:1990年12月)

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 河本駅は、山峡に密集した集落の駅でした。立派な駅舎もありましたが既に無人化されていました。片上鉄道の駅はかつては有人駅が多く存在しましたが、合理化で委託化が進みました。そして、1984年には大部分が無人化されましたが、その後も駅舎が残っていました。

 

6.キハ802 (河本~備前矢田:1990年12月)

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水面が鏡の様に列車を映していますが、ここは湖ではなく川です。 

河本から備前矢田の間は、片上鉄道の路線は吉井川に最接近します。この写真のように川の流れが穏やかな時は、水面に列車が映りましたが、吉井川は結構あばれ川で、片上鉄道もかつて甚大な被害を受けていました。