片上鉄道が廃止されてから今年で32年が経ちました。この片上鉄道の廃止が、山陽路に展開したローカル非電化私鉄の実質的な終焉でしたが、今となっては、もう片上鉄道が存在していたことすら忘れ去られてしまった感じです。
さて、廃止から4年目のある日、片上鉄道の廃止後の状況が気になり、片上に向かいました。
1.旧備前片上構内の保管車両群 (備前片上:1995年1月)
この日は、赤穂線の西片上で降り、かつての片上鉄道の拠点であった備前片上に出向きました。備前片上は片上鉄道の機関区の他に、鉱石輸送のヤードや荷卸し設備を有する広い構内でした。廃止後はレールが撤去されて更地になっており、一部はバスの車庫に活用されていましたが、大部分は空地でした。その空地の一画に見覚えのある車両が放置されていました。
2.トキ15007+ワフ102,キハ802他 (備前片上:1995年1月)
廃止から4年目の再会です。ブルーシートに包まれた車両も1両ありましたが、その他は野ざらし状態です。これらの車両はこの先どうなるのか?この時点で柵原町がキハ303、キハ702,DD13-551や客車などを購入して吉ヶ原で保管していましたが、ここの野ざらし車両は行くあてのない車両でした。しかし、ブルーシートに包まれていたキハ312は後に片上鉄道保存会が譲受して他の貨車ともども保存のため1995年に吉ヶ原へ搬出しました。
3.キハ802、DD13-552他 (備前片上:1995年1月)
この時点の、備前片上の放置車両は下記の通りです。
・機関車:DD13-552
・貨車:トキ15007、トラ814,840,846,852、トム519、ワフ102
・気動車:キハ312、キハ802
4.キハ802他 (備前片上:1995年1月)
・・・で、キハ802は結局、引き取り手がなくこの年の10月にここで解体されました。この車両は同系列の元小坂鉄道キハ2000形でした。日車製の地方私鉄向け標準気動車です。関東鉄道常総線にも同様な車両が在籍していましたが大変すばらしいデザインでした。
もう1両いた同型のキハ801が備前市で保存されたので、この車両の解体はやむなしでしたが、キハ801はその後まともな保存もされずに朽ちてしまい、大変残念な結果でした。
5.DD13-552他 (備前片上:1995年1月)
最後までここで残ったのは、DD13-552でした。DD13-551は手厚く整備されて現在も吉ヶ原で動態保存されていますが、こちらは1997年に整備され現在もここにいるようです。
6.DD13-552+貨車・・・ (備前片上:1995年1月)
写真の編成は、DD13-552+トラ814+トム519+トラ852+トラ840+トラ846+ワフ102+トキ15007。
こうして見ると、現役当時を見ているようですが、この年に大部分が、ここからいなくなってしまいました。