大井川鉄道の本線車両の車庫は新金谷ですが、井川線の車両は川根両国に拠点がありました。
この川根両国には専用線時代に導入された小型のMr.KATOがいました。
川根両国車両区は南アルプスの雄大な自然の中にあります。かつて専用線時代は多くの車両がここを拠点にしていたのか、結構立派な車庫です。しかし、1985年当時は写真をご覧の通り、閑散としており、庫外にポツンとDB9が1両だけ佇んでいました。
2.DB9(川根両国:1985年9月)
DB9(注1)は1936年専用線の改軌時に導入された DB1形の増備車として、1955年に中部電力東上田発電所の建設現場から、同僚のDB8と共にやって来ました。加藤製作所製の典型的な工事用機関車でした。1985年時点DB1形で在籍していたのはこの2両だけでした。
(注1)DB1形(DB8,9)の車歴
・大井川DB8,9←中部電力DB8,9←中部電力東上田発電所:1952年加藤製作所製
3.DB9(川根両国:1985年9月)
DB1形は井川線が観光化される前の主力機で最盛期は9両在籍しました。しかし、大型車の導入によって余剰が生じ、元ガソリン動車だった初期車から他路線への転籍や廃車が進み、残った2両も入換機として細々と余生を送っていました。
4. DB9(川根両国:1985年9月)
井川線を語る上で無視できないのが、1971年に廃止された千頭森林鉄道です。
井川線が専用鉄道として開業する以前から、千頭森林鉄道は存在し、営林署のある千頭~沢間間は専用鉄道が森林鉄道と線路を共用することになりました。どちらも762㎜軌間だったので実現したわけですが、その後専用鉄道は大井川鉄道の本線への貨車直通のため1067㎜に改軌されたので、共用区間は3線軌道となりました。それでも両者は仲良く走っていましたが、森林鉄道の方が1968年に廃止となり現在に至ります。
この千頭森林鉄道の保存車両は、元千頭営林署があった千頭駅の外れにあり、現在も機関車神社に祀られています。
さて、井川線はたいした写真もなく以上ですが、このあとアプト区間が完成する直前に現在の接阻湖を訪れました。その時の様子は改め報告致します。