奇抜な新車の導入など話題性の高かった上信電鉄でしたが、輸送需要の低迷はここも同じでした。単行用の両運車が重宝されるようになり、旧型車の置き換えも中古車で賄う現実となりました。
1.デハ252 (下仁田~赤津(信):1987年5月)
単行のデハ252がやって来ました。よく見ると急行です。がらがらでも急行は走っていました。かつては乗客にお茶もサービスされた急行ですが、もうそんなサービスをしている場合じゃありません。急行の運用にも無理があるように思えましたが、看板列車は頑張っていました。
2.デハ251、1000系 (下仁田:1987年5月)
新車の導入もここまでです。この先新車とは縁のない氷河期となります。
そして、ここにも西武電車が登場しました。この元西武451系は、老朽車の淘汰であえぐローカル線の救世主といった感じでしたが、この電車も相当酷使された車両で、私個人的にはあまり歓迎できない車両でした。
4.デハ23他 (高崎:1987年5月)
帰りに高崎の車庫を訪問しました。辛うじて残っていたオリジナルの吊掛車は、デハ22,23、デハニ31の3両になってしまいました。
5.デハ22他 (高崎:1987年5月)
これらの旧型車は比較的状態は良く、まだまだ安泰かと思われましたが、デハニ31が1989年、デハ23が1991年、デハ 22が1993年に廃車されました。
しかし、旧型車の運用はほとんどなく、走行撮影もできませんでした。
6.クモハ105+クハ105 (高崎:1987年5月)
クモハ105+クハ105(注1) は事故廃車となったクモハ102+クハ102の代替車として導入された、これも西武の 451系です。クモハ100系は導入時にパワーアップのため台車を西武501系のものに交換されましたが、クモハ105は台車もオリジナルのままでパワーアップもされずに使用されました。
7.クハ105+クモハ105 (高崎:1987年5月)
なお、クハ105は100系で唯一切妻食パン電車ではなく、西武風湘南モドキでした。
(注1)クモハ105+クハ105の車歴
・上信クモハ105←西武クモハ461←西武モハ461:1959年西武所沢工場製
・上信クハ105←西武クハ1662:1963年西武所沢工場製
この元西武451系と言えば、同じ頃一畑や三岐にも登場した車両で、いずれも主力車として活躍していました。上信電鉄では、クモハ103+クハ103が1996年に廃車となり100系は消滅しましたが、その後も西武の中古車とは縁が切れず、元西武401系、801系、701系を種車とした、冷房付きカルダン車である150系に置き替わって行きます。