ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第424話 1991年野上:アーモンドチョコ出現の頃(その3)

この日は、ラッシュが終わったあともデ12とデ13が引き続き運用されました。

 同じような車両を同じ場所で撮り続けてもしょうがないので、撮影場所を野上中~北山間に移動しました。

 

1.デ13 (野上中~北山:1991年12月)

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デ13がやって来ました。年末なのでこの日は買い物客が結構乗っているようで、ラッシュ時よりも混んでいました。

デ10形は、デ11のみ車体広告車でしたが、デ12とデ13は車体広告はなく撮影向きですが、全く同じ形態なので、区別がつきません。 

 

2.デ13 (野上中~北山:1991年12月)

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 この場所は、山間の田園地帯です。冬枯れた田圃がむなしさをそそりますが、この鄙びた景色が野上電鉄の電車にはぴったりの場所です。

 

3.デ13 (野上中~北山:1991年12月)

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デ10形はこうして見ると結構可愛い電車です。車両長は12.5mしかなく、路面電車並みの大きさです。もっとも、野上に来る前は富山地鉄射水線や笹津線で活躍しており、富山市内線にも乗り入れていたので、実際路面電車でした。しかし、野上に来てドアステップをカットした姿は、富山地鉄時代とは全く異なった、何とも田舎臭い味のある車両となりました。ちなみに、当時この電車の原型を保った車両が加越能鉄道高岡軌道線に1両だけ除雪車として残っていました。その車両の様子は別途お伝えします。

 

4.デ13 (野上中~北山:1991年12月)

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 ここは何の障害物もなく、通り過ぎる列車を何枚でも連写できます。 雲が出て来ましたが、幸い列車には陽が射してくれました。

 

5.デ13 (野上中~北山:1991年12月)

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 これだけ撮影すればもう十分です。日差しがあるうちに移動しながら撮影を行うことにしました。

 

6.デ12 (動木~紀伊野上:1991年12月)

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 少し歩いて、ここは貴志川沿いの渓谷です。野上電鉄の沿線では、最も風光明媚な場所でした。この写真は線路沿いにあった料亭の駐車場から写したものです。

 

この2年後に野上電鉄は会社解散=鉄道廃止となりますが、まだこの頃は補助金で設備投資を行い前向きに運行されていました。

しかし、乗客の減少は明らかでバブル期を過ぎ、補助金が切れるとたちまち行き詰まってしまいます。これから先、廃止となるまでの間は、仕事の合間を見て、野上通いが続きました。