ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第681話 1993年野上:夏の朝、淡々と走る

野上電鉄の廃止が表明されてから、なんだかんだ毎月の様に撮影に出向きました。この日も出張中の休日を利用して前日に海南のビジネスホテルで宿泊し、朝から「禁断の路線バス」で始発列車を先まわりしました。

 

1.クハ104+モハ31 (北山~野上中:1993年8月)

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この日は土曜日だったので、朝のラッシュ時に2連が走りました。すでに3連の運用はなく、増結用のクハが整理されてしまいましたが、クハ104だけが残り、孤軍奮闘していました。 

 

2.モハ26+モハ24 (北山~野上中:1993年8月)

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 続くモハの2連は、アーモンドチョコの編成です。モハ24のアーモンドチョコ塗装はすでに広告契約が終わっていると思いますが、相変わらずそのままです。

 

3.モハ26+モハ24 (北山~野上中:1993年8月)

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 この日は始発からここで撮影を始めましたが、夏場は陽の向きが真正面でした。側面まで陽が当たるまでは少し時間が掛かりそうです。1kmほど上流の紀伊野上あたりの渓谷まで行けば順光でちょうど良さそうですが、列車が結構頻繁に来るので、しばらくここで撮影です。

 

4.モハ27+モハ32 (北山~野上中:1993年8月)

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 この日3本目の2連は、広告なしの編成です。しかしまだ側面には陽が当たりません。陽の向きは撮影には重要な条件です。このように馴染みの場所でも季節が変われば期待通りにならない場合がよくあります。よく考えて撮影場所を決めないと、貴重な写真を撮り損ねてしまいます。

 

5.モハ32+モハ27 (野上中~北山:1993年8月)

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 ダメもとで逆光の後追いを撮ってみました。こんな写真の方がプリントしてみると意外に面白い仕上がりだったりします。

 

6.クハ104+モハ31 (北山~野上中:1993年8月)

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 クハ104が戻ってきました。ようやく側面にも陽が当たり始めました。季節によって変わる陽の向きは、次回以降の撮影時の教訓としなければなりませんが、来年はもう走っていません。

 

7.クハ104+モハ31 (北山~中野上:1993年8月)

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 クハ104と連結されたモハ31とは元々同形車両ですが、製造時期の違いからクハ104は側面幕板の明かり窓がなく、平凡な車体外観です。しかし、雨どいの更新が実施されなかったので、より原形に近く、古き良き阪神電車の清楚な表情が大変好ましい車両でした。