ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第496話 1990年片上:山陽路ローカル私鉄の落日(その5)

片上鉄道撮影2日目の午後は、河本から備前塩田方向に移動しました。この区間も前日撮影したところですが、前日は夕方で陽が射していませんでした。この日は十分に陽も射しており、前日のリベンジです。

 

1.キハ802 (備前矢田~河本:1990年12月)

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午前中運用の「わかあゆ号」が行ってしまうと、次の列車まで時間が空きます。少し早めの昼食を喫茶店北斗星」で済ませて、再びサイクリングです。 

 

2.備前塩田駅 (備前塩田:1990年12月)

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さほど坂道もなく、9km程の道程を順調に備前塩田まで来ました。この駅は片上鉄道独特の駅舎を備える立派な交換駅ですが、1984年に無人化されていました。このモダンな駅舎のスタイルは、片上鉄道が柵原まで延伸された時に開業した駅に共通し、備前福田、周匝、美作飯岡、吉ヶ原、柵原も同様の造りでした。 

 

3.キハ312 (備前塩田~備前福田:1990年12月)

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 備前塩田~備前福田間には、第一吉井川橋梁がありました。ここは日中陽が当たるので良い撮影ポイントでした。午後は運用が変わり、キハ312が登場しましたが、今日もキハ702は登場しません。

 

4.キハ312 (備前塩田~備前福田:1990年12月)

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 この橋梁は全長355mもあり、結構長い橋梁ですが、幸い並行する道路橋が出来たので迂回することもなく助かりました。これらの写真は、その道路橋から撮影したものです。

 

5.キハ312 (備前塩田~備前福田:1990年12月)

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片上鉄道には、この第一吉井川橋梁の他に、第二吉井川橋梁188m、金剛川橋梁110mなど立派な橋梁がありました。これほどの鉄橋を建設してまで敷設された路線ですが、当初は鉱山鉄道として相当期待されていたことが伺えます。

 

6.キハ312 (備前福田~備前備前塩田:1990年12月)

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 川岸に小さなボートが写っています。道路橋がなかった時代の名残りでしょうか。撮影を行った道路橋はまだできたばかりの新しい橋でした。この橋が出来るまでは、下流側は備前矢田、上流側は周匝の先まで10kmも橋がなく、自動車でもなければ沿線撮影は厳しかったと思われます。

 

7.車内補充券

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話しは変わりますが、片上鉄道の車内補充券が2種ありましたのでご参考までに掲載します。左が古いタイプで1970年代のもの、右が新しいタイプで1980年代のものです。たいてい車内補充券は新しくなると小さくなる傾向があるように思いますが、片上の場合は逆に新しい方が大きくなっています。古い方は主要駅から各駅への運賃しか記載されていませんが、新しい方は全ての駅間の運賃が記載されたことから大きくなったと思われます。柵原の鉱山マークと片上の港マークの標記は変わらず、伝統的で個性的な乗車券です。