いよいよ上田交通の「丸窓」も最後が近づいて来ました。
この日の午後は、いつもの田園地帯に移動して、「丸窓」たちの最後の活躍を撮影しました。
塩田平はまさに実りの秋でした。これから晩秋にかけてが上田交通の最も映える季節ですが、私にとっては、もう「丸窓」の撮影はこの日が最後です。
1.モハ5252+クハ292 (中塩田~下之郷:1986年9月)
モハ5252が相棒のクハ292を引いてやって来ました。このクハ292も、元を正せば東急5000系の中間車でした。元の同僚が大挙して上田にやって来ましたが、まったく接点がないまま旧型車と運命を共にしました。
2.モハ5252+クハ292 (中塩田~下之郷:1986年9月)
上田交通は、この翌月である1986年10月1日をもってDC1500Vに昇圧となりました。き電設備や車両は一晩にしてチェンジされ、「丸窓」たち旧型車は一斉に淘汰されました。
3.モハ5252+クハ292 (中塩田~下之郷:1986年9月)
陽が傾いてきましたが、まだまだ残暑の塩田平でした。側窓全開で2連が走って行きました。ところで、翌月から投入される新車?も非冷房でした。上田交通に冷房車が入るのはまだ先の事で、東急7200系が導入された7年後の1993年でした。
4.モハ5252 (八木沢~別所温泉:1986年9月)
モハ5252が単行になって40‰をノッチオフで軽快に下ってきました。 少し陽が影ってきたので、逆光を気にせず1カット撮れました。
5.モハ5252 (別所温泉~八木沢:1986年9月)
翌月からここを元東急5000系、5200系が走るとは、イメージが湧きません 。もう撮影に来ることはないと確信していました。
6.モハ5371 (中野:1986年9月)
モハ5371も、もう見納めです。複雑な車歴の持ち主でしたが、ここまでです。この時期は運用する車両も整理されていた様で、長野電鉄からの譲受車の走行撮影はできませんでした。
7.モハ5252+クハ252 (八木沢~舞田:1986年9月)
夕刻となり、いよいよ最後の撮影です。天気も回復し、やって来たのは、何と珍しいモハ5252+クハ252のコンビでした。いままでこの組み合わせは撮影したことも見たこともありません。夕陽に上田ブルーの渋みが増し、すばらしい旧型の2連です。これは、我々に対する「丸窓」の最後のはからいではなかったかと思います。しっかりファインダーに納めて、「丸窓」たちに別れを告げました。