ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第528話 1989年関東(常総):紆余曲折の断末魔(その8)

この年は仕事が忙しく、気が付けば8月になっていました。

あれから半年ぶりの常総線を見に行きました。

 

1.キハ3516 (水海道:1989年8月)

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 水海道機関区では、間もなくデビューするキハ3516が最後の仕上げ段階でした。

この頃になると、なぜか車号と改造順序が一致しませんが、一応この車両が竣工すると、キハ350形の再生改造が一段落となります。

 

2.キハ356+キハ351+キハ301 (水海道:1989年8月)

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 キハ3516が竣工したら、キハ300形が4両、キハ350形が17両の大所帯となります。それまで存在していた旧型車を上回る両数となり、大増備です。

 

3.キハ008+キハ007 (水海道:1989年8月)

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 この時点で、キハ0形も新塗装になっていました。 もう機関区内に旧塗装の車両は見当たりません。

 

4.キハ318、キハ004他 (水海道:1989年8月)

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あんなにいたタラコ色の車両もいなくなりました。いよいよキハ300,350形時代の幕開けです。キハ310形、キハ0形も肩身が狭そうです。

 

5.キハ310形2連 (小絹~水海道:1989年8月)

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そして、今回も廃車となった旧型車のその後を確認するため、新機関区予定地に向かいました。その道中で今回は、キハ310形を撮影しましたが、なんとも味気ない!! 

 

6.キハ813+キハ721 (小絹~水海道:1989年8月)

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 うーん。思わず唸ってしまいましたが、あれほどいた廃車体は一挙に処分されてしまい、新たにこの2両が無残な姿をさらしていました。

 

7.キハ813の車内 (小絹~水海道:1989年8月)

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 キハ813の車内です。やはりエンジンが転がっていました。道産子のこの気動車は、1両だけ仲間から外れて常総線で孤軍奮闘していました。その仲間は、この2年前の1987年にお隣の筑波鉄道と生涯を共にしました。そして残ったこの車両もついにこの地で果てました。

 

8.キハ721の車内 (小絹~水海道:1989年8月)

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こちらはキハ721の車内です。この車両もエンジンが載っていましたが、この車両は電車化を夢見て造られた車両でした。しかしそれも叶わぬ夢となりました。

 

常総線の旧型車との付き合いは、この時点でかれこれ5年になりましたが、とうとう来るべき時が来ました。

結局、廃車となった車両は、キハ551、キハ611~614、キハ701~704、キハ721、キハ751~755、キハ813の計16両でした。

これらの廃車を、こんな形でお伝えすることになるとは、当時は思ってもいませんでした。これも常総線を支えてきた車両たちの記録として、記憶の断片に留めて頂ければと思います。

これで常総線に残った在来車は、キハ500形、キハ800形、キハ900形、キハ310形、キハ0形となりました。元国鉄の機械式気動車の残党がいなくなり、もう常総線の魅力はなくなりました。