ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第534話 1993-94年広島:バブル期の強烈な広告電車(その2)

バブル期の全面広告車には元神戸市電の1100形、1150形が多く使用されていましたが、その他に広電オリジナルの500形や、元大阪市電の900形、750形も使用されていました。スポンサーが車両を指定できたのかどうかわかりませんが、車両のスタイルと、カラーリングがマッチするかが、広告電車の勝敗を決める様に思えます。バブル期はどこのスポンサーも良く目立つ奇抜なデザインですが、これを古い電車に塗ってしまうと、年増の厚化粧となり、一歩間違えれば「化け物」になってしまいます。その点、元神戸市電の1100形、1150形は広告電車には無難だったと言えるでしょう。

 

1.1154 (御幸橋:1993年12月)

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 これも元神戸市電ですが、パステルカラーもこのスタイルなので違和感なしです。

 

2.1154 (宇品:1994年2月)

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 ところが、この電車は左右で側面のデザインが大きく異なり、反対側はこの様に豹変します。これはスポンサーの戦略なのか、車号を気にしなければ、あたかも2種類の広告電車が存在しているように印象に残ります。「一粒で二度おいしい」あのキャラメルのような宣伝効果です。あっぱれの地元企業です。

 

3.1102 (宇品:1993年8月)

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この電車は、地方の情報サービス企業の広告電車です。バブル期には急成長した地方企業も多く、TVコマーシャルには手が届かなくても、広告電車には手が届きました。そしてこのデザインはかなりカラフルではありますが、残念ながらあまり印象に残りません。知名度を上げる目的なら、殺虫剤電車くらいのインパクトが欲しいところです。

 

4.1156 (宇品:1993年8月)

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 この電車も印象に残らないタイプですが、広告は懐かしい「ポケベル」です。

私もポケベル世代ですが、この頃には携帯電話が出始め、まもなくポケベルはどこかに行ってしまいました。

 

5.503 (本川町~原爆ドーム前:1994年3月)

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 ここからは、広電オリジナルの500形広告電車です。

初っ端の503は、南米の毒ガエルの様なかなりドぎついカラーリングですが、スポンサーは超大手不動産屋さんです。結構印象に残るデザインです。まさか南米の毒ガエルをイメージしたとは思えませんが、このデザインの良さが私にはよくわかりません。

 

6.502 (白島:1993年12月)

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 502は宝石屋さんの広告電車です。

ちなみに、この宝石屋さんは東京銀座のあの宝石屋さんではなく、まったく別の広島の老舗宝石屋さんです。宝石屋さんの広告電車なので、金銀のメタリック塗装でも良いくらいですが、この謙虚さが良いのかも。

 

7.501 (原爆ドーム前本川町:1994年3月)

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この電車は、広島の観光キャンペーンだった、「Sun Sun 広島21」の広告電車ですが、やはりこのてのチンチン電車に白装束は似合いません。地元をアピールする電車なので、もうちょっと気を使っても良かったのでは?