ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第542話 1992年京福(越前):とりあえず見に行く(その2)

今回も、とりあえず見に行った京福福井支社の続きです。

とりあえず見に行った理由は、正直なところ天気が悪かったからです。実は、この日も最初は福井鉄道を訪問したのですが、天気がイマイチだったので、一通り車両を確認した後は、走行撮影を諦めて田原町から京福越前線に乗り換えました。

 

1.モハ3005+モハ3006 (田原町:1992年8月)

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 ここは福井鉄道京福三国芦原線のジャンクションである田原町です。写真の左側にはちょっとだけ福井鉄道の引き上げ線が写っていますが、現在ここは2路線がつながり、福井鉄道えちぜん鉄道の相互乗り入れ区間になっています。現在は2社とも直通用のLRVを保有して運行されていますが、この頃は仲が悪かったのか、どちらの駅も積極的に乗り換え案内も出さないほどの困った駅でした。

 

2.モハ3001+モハ3002 (福井口:1992年8月)

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さて、今回は元南海電鉄の車両です。この車両は南海電鉄南海本線の元特急車だった11001形です。南海電鉄のDC1500V昇圧により、1974年に譲渡されたDC600V車でした。初期のカルダン車であり、京福電鉄福井支社ではモハ3001形(注1)と称し、クロスシートのまま2連固定の初のカルダン車となりました。 

 (注1)モハ3001形の車歴
京福モハ3001~3006←南海モハ11009~11014:1956年帝国車輌製
京福モハ3007,3008←南海モハ11001,11008:1954年帝国車輌製

 

3.モハ2101、モハ3007 (田原町:1992年8月)

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モハ3001形はモハ3007+モハ3008のみオリジナルは前面貫通タイプでしたが、京福福井支社移籍後の車体外板更新時に非貫通の湘南タイプに改造されました。他のモハ3001形とはやや異なる、傾斜の無い前面形状となり異彩を放ってました。また、モハ3001形は1990年にワンマン化され、その際に運転台寄りの側扉を運転室側に移設しました。このため、側窓の配置が変則的になりました。

 

4.モハ251+モハ252 (福井口:1992年11月)

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 1992年当時、辛うじて京福福井支社オリジナルとして残っていたのがモハ251形でした。この車両の車歴は、第82話をご覧下さい。1985年の訪問当時は4両のモハ251形と同型のモハ241形も4両いましたが、モハ2201形の導入によりにより一挙にモハ251、252の2両だけになってしまいました。

 

5.モハ253 (福井口:1992年8月)

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 福井口の車庫内には1991年に廃車されたモハ253が残存していました。このモハ253は元モハ251です。1988年にモハ252とモハ253がワンマン化された際に、モハ251とモハ253の車号が入れ替り、元のモハ253がモハ251として生き残りました。

また、ワンマン化されたモハ251Ⅱとモハ252はロングシート化されました。

 

6.モハ271 (福井口:1992年11月)

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 そして、1987年に廃車となり、もういないはずのモハ271が焦げ茶色に塗られて車庫内にいました。この車両の車歴も第82話をご覧下さい。

ところで、この車両は遡れば元小田急電鉄の創業時のモハ1形の成れの果てです。相模鉄道を介して京福福井支社にやってきましたが、その希少価値を買われて残ったわけではなさそうで、この時は倉庫代わりに使用されていた様ですが、その後解体されました。