ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第716話 1993年水島臨海:偉い人の苦言(その2)

前話では、水島臨海鉄道のキハ20形の事ばかりでしたが、水島機関区にはキハ20形以外にも、怪しい車両が集結していました。その様子は、まさに露店の骨董品市の様でもあり、中にはお宝もある様な・・・・。

 

1.キハ356廃車 (水島機関区:1993年12月)

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 さて、水島機関区ですが、以前は水島~三菱自工前間にありました。1978年に訪問した時は以前の車庫で撮影して、帰りは車庫から出庫列車に乗せてもらった記憶があります。良い時代でした。その時の様子は、第20話をご覧下さい。ところがその後、現在の場所に車庫が移転して、とんでもなく遠くになってしまい、他に交通手段もなく、歩いて行くしかありません。前回1985年の訪問時は、歩くのが面倒だったので、結局車庫には行かずじまいでした。しかし、今回は歩きました。

 

2.放置車両群 (水島機関区:1993年12月)

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せっかく歩いても、キハ20形ばかりでは苦労が報われませんが、歩いた先には、ご覧の骨董品がズラリと並んでいました。これらの車両をただのスクラップと見るのか?、お宝と見るのか ?

 

3.ワフ16廃車 (水島機関区:1993年12月)

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 まずは怪しい鋼製貨車です。このスタイルは、どうやら国鉄の貨車ではなさそうです。しかも緩急車。これは間違いなく「お宝」です。ワフ16(注1)と標記が記されています。調べてみると、なんと元鉄道省の車両で「お宝」でした。しかし、1988年に廃車となっており、結局はスクラップ。

(注1)ワフ16の車歴

・水島臨海ワフ16←倉敷市ワフ16←専用線?←国鉄ワ11:1921年鉄道省鷹取工場製

この貨車は元々10t積有蓋貨車だったものを専用線時代の1958年に鋼製の5t積有蓋緩急車に改造したものでした。

 

4.キハ356廃車 (水島機関区:1993年12月)

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 これは元国鉄キハ10形ですが、1989年に廃車となった水島臨海キハ356です。この車両は現役時代は同形車が7両在籍していましたが、キハ20形の導入により淘汰され、なぜかこのキハ356だけがここに野ざらしとなっていました。保存目的だったのか?

 

5.キハ356廃車 (水島機関区:1993年12月)

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 キハ356も正直興味のない車両でしたが、この様に並べられると「お宝」であるように見えます。なお、この当時現役で残っていたキハ10系は、南部縦貫鉄道キハ103と茨城交通キハ111~113だけでした。

 

6.元JR西キハ20422(未入籍)他 (水島機関区:1993年12月)

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 廃車にまぎれて、まだまだキハ20形がいました。このタラコ色はJR西で1989年に廃車となった車両です。いずれ復活を目論んでいたのか?

 

7.元JR貨物DE101616(未入籍) (水島機関区:1993年12月)

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 そろそろ機関車も交代なのか?この頃は各地に余剰となった機関車がいっぱいいたので、新製する必要もありません。国鉄のお古は、地方私鉄にとっては設備投資がかからない強い味方です。

 

8.放置車両群 (水島機関区:1993年12月)

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 手前から元JR四国キハ20405+元JR貨物DE10形+元JR四国キハ20412+元JR四国キハ20513+・・・。いずれも未入籍車ですが、まだまだこんなにキハ20形がいました。しかし、「偉い人の苦言」により、思わぬ方向に・・・。