ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第737話 1994年土佐:いにしえのLRT

1994年は仕事で広島に長期滞在していた関係で、琴電へ出向く機会が増えました。その琴電訪問時に、ふと思ったのが「土佐電をまだ見たことがない」ということでした。当時の土佐電は、一部に専用軌道はあるものの基本は路面電車で、古い車両もないので、全く興味はありませんでしたが、振り子気動車に乗ってみたかったので、とりあえず高知まで行きました。

 

1.301、219、735 (桟橋車庫:1994年8月)

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 この時は、特に下調べもせずに高知へ出向いたので、早速失敗だったのが宿でした。ちょうど高知は「よさこい祭り」の前日でした。そんなことは全く知らず、どこのホテルも満室!。 以前、花見のシーズンに弘前でも同じような体験をしましたが、これには参りました。最悪、日帰りで高松に戻る覚悟をしましたが、偶然1部屋だけ空いているビジネスホテルに遭遇し、ピンチは免れました。

 

2.735、703他 (桟橋車庫:1994年8月)

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 宿が確保できたので、安心して土佐電巡りです。しかし、今度は車庫がどこにあるのかわからず、本屋に駆け込み、地図で土佐電の拠点である桟橋車庫を見つけました。ところで、土佐電は全長が25kmもあり、とても電車に乗って全線をロケハンなどしている時間はありませんので、先ずは効率よく車両を撮影するため、桟橋車庫へ行きました。

 

3.625、211 (桟橋車庫:1994年8月)

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 桟橋車庫は、土佐電の本社や電車の整備工場もある大きな車庫です。行ってみて驚いたのは、車両の多さです。所詮地方都市の路面電車と思っていましたが、在籍車は70両もありました。まずは、車庫内にいる車両を片っ端に撮影しました。

 

4.220、533 (桟橋車庫:1994年8月)

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 そして、目を引いたのが外国の車両です。これは広電の影響なのか、ヨーロッパ諸国から中古車を買いこんでイベント使用を目的としたものですが、結構な種類です。広電がドルトムント路面電車を国内仕様に改造して認可を受けた実績から、その後の輸入電車は申請し易くなったのか?

 

5.204、610、220 (桟橋車庫:1994年8月)

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 ついでに目を引いたのが、広告電車です。土佐電は民間企業なので、広告収入をあてにするのは当然ですが、広電と同じくデザインが強烈です。

 

6.213、607、209 (桟橋車庫:1994年8月)

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 桟橋車庫は、電車の整備工場で検査設備もあるため、車両は頻繁に出入りします。ここに1時間も居ればほとんどの電車が撮影できます。