ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第952話 1994年富山地鉄:路面電車体質改善の頃(その2)

さて、今回は富山地方鉄道軌道線に28年ぶりに導入されたデ8000形の話題です。新しい車両なのでどうでも良い話ですが、この日は天気が悪く、地鉄本線の撮影を諦めて軌道線車両を見に行った時の様子です。

 

1.デ8002他 (富山駅前:1994年5月)

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それまで、富山地鉄の軌道線はデ7000形しか在籍しておらず、車両も全く面白くなく、軌道線自体も非常に地味な路線でした。デ7000形は古くもなく、なぜこの時期に新車を導入したのかわかりません。しかし、デ8000形の登場で、富山の街が少し華やかになったような気がしました。

 

2.デ8002 (富山駅前:1994年5月)

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デ8000形は日本車輌製のVVVF車です。日本車輌製の路面電車は、かつて日本中に走っていましたが、この頃の日本車輌は新幹線の製造が忙しかったのか、路面電車など全く相手にしていなかった様で、名鉄揖斐線のモ770形連接車を除けば、直近の国内向けでは1982年製の熊本市交8200形の2両だけでした。

 

3.デ8002車内 (富山駅前:1994年5月)

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ところで、熊本市交8200形は日本車輌が手掛けた国内初のVVVF路面電車でした。その頃は日本車輌路面電車復権に精力的だったようですが、あれから11年ものブランクがあり、この富山地鉄デ8000形は日本車輌が再び奮起したとは思えず、お得意様である地鉄さんなので重い腰を上げたような感じがしました。

 

4.デ8003 (南富山車庫:1994年5月)

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車庫では、珍しくデ8003が口を開けていました。開閉式のバンパーには連結器が仕込まれていました。

 

5.デ8005 (南富山車庫:1994年5月)

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そして、どこかで見た様なこのデザインは・・・都電8500形?を少し丸くした様な・・・。

 

6.デ8005 (南富山車庫:1994年5月)

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まあ、同じ様な車両になっても仕方ありませんが、こちらはステップ付きなので、折り戸です。

 

7.デ8005 (南富山車庫:1994年5月)

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デ8000形は1993年に、5両まとめて製造されましたが、その後の増備はありませんでした。やはり新車はお金が掛かるからなのでしょうか。