ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第1000話 番外編:1000回を顧みる

ふと気が付けば、第1000話です。

「光陰矢の如し」とは言いますが、月日が経つのは早いもので、当ブログを始めてからもう5年近くになります。当初は、還暦までにブログを完結しようと思い、とりあえず1000回を目標にしましたが、実際、還暦を迎え1000回に達しましたが、まだ終わりそうにありません。これからも「年寄りの冷や水」ではありますが、お付き合い願います。

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ところで、今回も節目の番外編ですが、今までの1000回を顧みたいと思います。思えば、何のコネもなく突然始めたブログでした。最初の頃はひっそりと投稿を続けておりましたが、徐々に皆様から応援を頂くようになり、ほぼ、ボヤキに近いブログではありますが、皆様に関心を持って頂けているものと思い、今後の継続の糧とさせて頂きます。

さて、ダラダラ続けて来たブログですが、意外と反響が大きかった話題もありました。その中からいくつかをピックアップして顧みたいと思います。

 

① 幻のステンレス製気動車:第200話

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これは、第200話の番外編で投稿した画像ですが、Twitterで拡散された様で、1日で8000アクセスを超えてしまい正直あせりました。私はなぜかTwitterのアカウントが凍結されており、Twitterには参加できない身の上なので、私の知らないところで何やら色んな噂話が飛び交っていたようです。どうも大半の方がこのSUS構体を国鉄の急行用DCの試作構体と思われたようです。しかし、この構体は急行用DCの試作ではありません。ネタをばらしますと、これはいずれ主流となる軽量ステンレス車体を見据えて、久しくステンレス車に縁がなかった、今は亡き新潟鐵工が、試しに作ったSUS構体です。作った後は無用の長物でしたが、錆びないステンレス車体を活かして倉庫に活用されていました。しかし、工場の引っ越しで廃棄されました。時期的に国鉄のキハ40系を大量生産していた頃の製造だったので、設計を省略するため、キハ40系をベースにしたもので、次期急行用DCを意識したものではありませんでした。全く夢のない話しであり、大変お騒がせ致しました。

ところで、国鉄の次世代急行用DCの計画は、国鉄の分割民営化によって頓挫してしまいましたが、JRになってからも、しばらくは急行列車の需要があったので、メーカーサイドでは検討が進められた事実があります。しかし、やがてJR各社は急行を廃止する方向に舵を取り、キハ54系、キハ110系やキハ40系を急行用に転じて一時凌ぎを行い、結局、次期急行用DCの検討は迷宮入りのまま消滅しました。この計画倒れに終わった次期急行用DCこそが最後の幻の急行用DCと思われます。

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これは、とある検討例です。検討なので前面などのデザインは、便宜的に当時の既存車(恐らくキハ31or54系)の有り合わせです。この図を見る限り、ステンレスカーなのか判別できませんが、注目したいのは、これが当時の急行用DCのアウトラインと言うことです。特急車並みのアコモデーションの様で、徐々に急行型と特急型の差がなくなっていますが、当時はすでに14系客車など、もともと特急車を急行に使用しており、特にどうこう言う内容ではありません。まだ国鉄タイプから脱却しきれない時代だったようで、車両長は21.3m、飲料水用のタンク付きで、非常に硬派な設計です。この検討には中間車もありましたが、グリーン車はありません。ちなみに、この頃の特急用DCは制御振り子式の検討が進められていました。

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しかしながら、この頃の特急車は、地方路線では短編成、モノクラス化が図られ、既存車の先頭車化が盛んに行われました。この写真は特急気動車先頭車化改造の一例ですが、わざわざ20年以上も前の図面を引っ張り出して前頭構体を再現した凝りようでした。急行列車の減少に伴い特急列車の格がどんどん下がって行く感じがしました。

 

② 関東鉄道グループの旧型気動車終焉:第37話ほか

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この話題は、1984年~1990年頃までの関東鉄道筑波鉄道鹿島鉄道に存在した気動車の晩年の記録をお伝えしたものです。かつて関東鉄道には、全国各地から寄せ集められた中古気動車が集い、しかも関東鉄道流の洗礼を浴びて、見事なまでにゲテモノ文化を形成していました。これは、急増する輸送需要の反面、電化が出来ないために中古気動車の入手に喘ぐ関東鉄道の苦肉の策から生まれた特異な文化であり、国内の鉄道史においても記録されるべき事実であると思われます。

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しかし、この貴重な事実は、まとまった記録としてあまり存在せず、特に個々の車両の最後までを見届けた記録がありません。このまま記憶の彼方に葬られてしまうことが危惧されます。気動車バカの私としては、なんとかその事実を少しでも記録として残そうと思いブログを活用させて頂きました。

 

③ NDC考察:第500~512話

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この話題も番外編です。13話に及ぶ長編となりましたが、これも気動車バカのボヤキです。いわゆる国鉄の赤字転換路線が第3セクターとして登場した頃は、マスコミにもチヤホヤされ、鉄道誌にもいろんな評論家の方々が、NDCやLE-Carについて蘊蓄を述べられておりましたが、最近はさっぱり音沙汰がなく、現在では実態も見えなくなってきました。どこのローカル線も存続に行き詰まる今こそ、存続に向けたアイデアを出し合う時ではないでしょうか。

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この「NDC考察」は、単なる過去の記録だけで終わらせたくないのが本音です。過去の経緯を顧みて、これからのローカル線車両のあるべき姿を考えるきっかけになればと期待しています。

 

つづく・・・