ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第54話 1985年北陸(小松) しぶとかったミニ路線

石川県の小松市といえば、大企業の小松製作所があまりにも有名ですが、小松の鉄道といえば・・・?

大方の鉄道ファンの方なら、間違いなく"尾小屋鉄道”と回答されるでしょう。やはり小松といえば尾小屋です。しかし、一人くらいは北陸鉄道小松線と答える方がいるかも知れません。そんなのあったっけ?と言われそうですが、確かにありました。尾小屋鉄道が廃止となった1977年以降もしぶとく、1986年まで小松線は存続しました。

 

1.モハ3001 (鵜川遊泉寺:1985年9月)

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 小松線は全長がわずか5.9kmしかない零細路線ですが、開業は1924年昭和4年)と結構古く、開業以来なんら変化もなく坦々と走っていました。非常にマイナーな路線ですが、計画段階ではこんな中途半端ではなく、白山山麓の白峰まで延ばすつもりだったそうで、開業時は白山電鉄と称していたほどです。しかし、実態は鵜川遊泉寺までで挫折。開業直後から経営不振で、なかなか北陸鉄道にも入れてもらえなかったみじめな路線でしたが、戦時統制によって強引に北陸鉄道に仲間入りしました。

 

2.梯川橋梁を行くモハ3001 (軽海~鵜川遊泉寺:1985年9月)

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この日は天気がいまひとつスッキリせず、走行撮影も気合が入りませんでしたが、翌年にはいよいよ廃止となり、私にとって、この日が見納めとなりました。

 

3.モハ3001 (軽海~鵜川遊泉寺:1985年9月)

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この橋を渡ると終点の鵜川遊泉寺です。小松からわずか16分足らずでした。

小松線の運用は、ラッシュ時2列車運用、日中1列車のピストン運用です。この日は日中モハ3001が行ったり来たりしてました。小松線は路線も短く、撮影場所も限られるので、同じ列車ばかりではすぐに飽きてしまいます。

 

4.モハ3001 (鵜川遊泉寺~軽海:1985年9月)

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当時の小松は、小松駅周辺は結構住宅や工場が建ち並んでいましたが、市街地を一歩出ると、たちまちこの様な田園風景となりました。 

 

5.モハ3001 (鵜川遊泉寺~軽海:1985年9月)

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小松線は北陸本線小松駅東側から小松製作所の脇を抜けて田園地帯を真っすぐ進む単調な路線でした。途中、加賀八幡という唯一の交換駅があり、ラッシュ時はそこで列車交換を行っていました。

 

6.モハ3001 (鵜川遊泉寺~軽海:1985年9月)

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 小松線のモハ3000形は、他路線の車両と比較して結構まともな容姿をしていました。根本的な車体更新を受けていなかったからですが、他路線の更新車を見る限り“北鉄の美的センス”は?だったので、未更新でよかったです。