ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第362話 1990年福井:地味な変化

1990年秋の北陸地方ローカル私鉄早回りは、富山の立山砂防から始まり、富山地鉄北陸鉄道浅野川線石川線)を巡って、最後は福井鉄道まで来ました。

福井は全く気合の入らなかった1986年(第228話)以来となりますが、今回も同様で、京福越前線はパスして福井鉄道のみ訪問です。

 

1.モハ202-1+モハ202-2 (西武生:1990年5月)

f:id:kk-kiyo:20191006071943j:plain

 毎回最後の訪問となる福井は、どうしても気合が入りません。

しかし、今回は静岡鉄道からやって来たモハ300形の増備に絡み、福鉄オリジナルのモハ200形が各停運用に格下げされ、ついでに全車の車体塗装が変更となる、実に「地味な変化」がありました。

 

2.モハ21廃車留置 (西武生:1990年5月)

f:id:kk-kiyo:20191006072024j:plain

 そして、モハ300形の導入で玉突き廃車となったモハ21は、1986年に廃車されたはずですが、西武生(現:北府)車庫の片隅に残存していました。

 

3.モハ143-1+モハ143-2 (武生新:1990年5月)

f:id:kk-kiyo:20191006072043j:plain

 塗装変更はモハ200形だけではなく、在来車すべてに展開されていましたが、塗色を変えずに塗り分けを変えただけにしては、イマイチです。以前の方が良かったかも・・・。

 

4.モハ141-1+モハ141-2 (神明:1990年5月)

f:id:kk-kiyo:20191006072104j:plain

モハ 300形の導入でモハ200形が各停運用に格下げされ、そのあおりで雑多な車両が淘汰となりましたが、モハ140形は安泰でした。やはり輸送力が頼りだったのでラッシュ時には外せない存在でした。

 

5.デキ11 (福井新:1990年5月)

f:id:kk-kiyo:20191006072158j:plain

 福鉄の「お宝」である大正生まれの電動貨車デキ11が1両残っていました。かなり改造されていますが、車体の側板は木製です。 この車両は市内線用の除雪車として残されていたものですが、つい最近まで生き残っていました。

 

6.デキ11 (福井新:1990年5月)

f:id:kk-kiyo:20191006072218j:plain

デキ11(注1)は元々福井鉄道の前身である福武鉄道開業時に新製された木造2軸の荷電でした。1959年にボギー化され、1969年からは南越線社武生で貨物の入換に使用されましたが、1980年に南越線の廃止で福武線に転じ、HL化、前頭部鋼体化などされて、市内線用の除雪車となりました。

(注1)デキ11の車歴

・福井デキ11←福井デワ1←福武デワ1:1923年梅鉢鉄工製

デキ11は電気機関車の形式ですが、この車両がそんなパワーがあるわけありません。一応市内線の除雪車なので、営業時間帯に出動することもあり、認可上車籍を持つ必要があったことから、便宜的に機関車の形式を名乗ったようです。