ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第523話 1989年関東(常総):紆余曲折の断末魔(その3)

それでは、哀れな廃車達を回想したいと思います。

 

1.キハ754 (小絹~水海道:1989年1月)

f:id:kk-kiyo:20200503145814j:plain

キハ754は言わずもがなの元小田急キハ5100形でした。新宿から御殿場線に直通する気動車ロマンスカーと言う輝かしい前歴の持ち主でしたが、御殿場線が電化されたとたんにお払い箱となり、都落ちして流れ着いたのが常総線でした。しかし、関東一家の一員となるため、関東流の通勤車化洗礼を浴び、その結果がこのゲテモノです。そして最後の最後にこの塗装!! 何の因果なのか、新塗装の試験に使われたものの、そのまま営業線に出ることもなく、この姨捨山に投げ出されてしまいました。

 

2.キハ754の車内 (小絹~水海道:1989年1月)

f:id:kk-kiyo:20200503145911j:plain

キハ754の車内は、照明器具が外され、配管の様なものが積まれていましたが、まだ現役の頃の面影がありました。

 

3.キハ753 (小絹~水海道:1989年1月)

f:id:kk-kiyo:20200503150127j:plain

 キハ753も元小田急キハ5100形です。こちらは試験塗装を免れ、普段通りの姿ですが、地元の悪ガキに窓ガラスを割られて痛々しい状況でした。

 

4.キハ753の車内 (小絹~水海道:1989年1月)

f:id:kk-kiyo:20200503150419j:plain

 この車両はダブルエンジンなので、車内に排気管が2カ所立ち上がっていました。左右の排気管は位置が若干ズレていたので、中央扉は千鳥配置となりましたが、元々片側1ドアの車両を外吊り扉を増設して3ドア化するとは、なかなかの発想です。

 

5.キハ752 (小絹~水海道:1989年1月)

f:id:kk-kiyo:20200503150321j:plain

キハ752は、元小田急キハ5000形です。元小田急キハ5000形とキハ5100形の違いは、側窓の窓割りです。 キハ5000形は新製時はシートピッチが狭かったので窓数が多く、キハ5100形から拡張したシートピッチに合わせた窓割にした結果、窓数がへりました。しかし、キハ5100形も排気管と側窓の位置関係は変更しなかったので、3ドア化には支障ありませんでした。

 

6.キハ752の車内 (小絹~水海道:1989年1月)

f:id:kk-kiyo:20200503150247j:plain

キハ752の車内は整然としていました。

もう1両、元キハ5000形だったキハ751がこの並びに留置されていましたが、日の向きが悪かったので撮影はしていません。

かつての小田急優等列車も、人知れず昭和と共に消えて行きました。終焉の地が水海道の原野であったことが意外でしたが、落人の最後を目の当たりにしました。