ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

号外:乙2竣工!!

2年前の正月に、都内の公園で保存されていたボロボロの都電乙2と6063の修復についてお知らせしましたが、ようやく修復が完成し、乙2と6063が蘇りました。しかし、2年間の歳月は短かったようで長く、世の中の情勢は変わり、当然私自身も年を取りました。変らないのはコロナの感染がいまだに終息していないことくらいでしょうか。でも、乙2と6063の修復完成は待望の明るい話題です。今回はこの乙2と6063の竣工をお祝いして、私の視線で修復の経過をお伝えいたします。

 

1.13年前の乙2

まずこの写真は、2010年のまだ乙2が綺麗だった頃の様子です。しかし、すでにビューゲルは外されていました。その後、乙2とは疎遠になってしまい、久々に再会したのが11年後の、2021年正月にアップしたあのブログ(号外:令和3年)でした。

 

2.2年前の「車庫跡公園」の様子

これは、2年前の正月の「車庫跡公園」の様子です。久々に再会した乙2は崩壊寸前のボロボロの状況でしたが、この時点で公園のリニューアルと併せて、乙2と6063も修復されることが決まっていました。それをブログでもお伝えしましたが、その後の修復作業がなかなか始まらず、コロナ感染対策最優先で、修復は頓挫したのかと諦めていた11月から公園の工事が開始されました。

 

3.2年前のボロボロの乙2

そして、公園の設備解体と同時に、檻で囲まれていた乙2と6063は、檻の撤去でご覧の通り開放されました。これは令和3年の年末でした。この時の様子は、昨年正月にアップしたブログ(号外:令和4年)をご覧ください。

 

4.昨年の修復当初の様子

公園設備の解体が終わり、公園が更地になった5月に様子を伺いに行きました。この時、乙2と6063は展示場所から少し移動しており、乙2は台車が持ち出されていました。しかし、この時点ではまだ2両とも修復作業は行われていない様子でした。この様子は、昨年5月にアップしたブログ(号外:これでいいのか10連休!!)をご覧ください。

ここまでは、すでにブログで経過報告していましたが、ここからは、未報告の状況をお伝えします。なお、本件はすでに同好の方々からネット上で進捗報告がされており、内容的に被ってしまいますがご容赦願います。

 

5.昨年の修復中の様子

この写真は隣接する都営アパートの2階にある図書館から撮影したもですが、車両の修復が本格化した昨年8月上旬の様子です。2両とも台車が整備されて、元の場所に戻されましたが、展示場となる部分の基礎が新しく打ち直されており、レールも敷き直されていました。そして、注目の乙2ですが、車体の修復が始まっています。乙2は木造車体なので、鋼製アングルを残して木造部分は撤去されており、骸骨状態です。やはり、木材の腐食が激しかったからでしょうか。6063の方は、外板をお色直し中の様です。

 

6.昨年の修復中の様子

乙2の白色のフレームが鋼製部分の様です。木製部分は全部外すと修復が難しい様で、強度メンバーとなる部分は、順番に新材へ組み替えている様です。

 

7.昨年の修復中の様子

そして、昨年9月下旬には、キャブ周りの羽目板が入っています。ようやくそれらしくなってきました。こういう木造車の修復は大工さんの手作りなのでしょうか?

 

8.昨年の修復中の様子

近くに寄って見ると、こんな状況です。

ところで、前面窓の縦枠に注目です。なにやら緑色の角材が継がれていますが・・・・これ、もしかして木片を旧車体からの流用したのか?。なんだかテレビで見たことがある重要文化財の修復を思い出しましたが、真相は?。おそらく、まともな図面がなさそうで、現物合わせで修復されている様です。

 

9.昨年の修復中の様子

昨年12月中旬には、もうここまで出来ていました。ところが、展示場を囲む柵も着々と進んでおり、すでにまともな写真が撮れない状況になっていました。これは悩ましい。

 

10.昨年の修復中の様子

ビューゲルも復活しています。絶縁とは言え、まな板の上に載っているだけ!!

つづく。