ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第959話 1995年阪堺:よく見ると貴重な車両達(その2)

住吉界隈まで来ると、車庫に寄りたくなるのが人情です。早速、我孫子道の車両区にお邪魔しました。

 

1.モ172、モ123、モ166 (我孫子道:1995年12月)

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前回の車庫訪問は1年程前でした。この間に元京都市電だったモ253,256が廃車となり、モ251形は消滅し、代わって新車のモ710,711が増備されました。しかしながら、モ121形やモ161形などの長老は健在でした。

 

2.モ501、モ504、モ173 (我孫子道:1995年12月)

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それにしても、相変わらず新喜劇的な広告電車ばかりです。1両くらいシックなグリーン一色のオリジナル塗装の復活はないものか?これでは、どんなに貴重な車両でも撮影する気になれません。

 

3.モ253、モ252 (我孫子道:1995年12月)

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京都市電がいました。しかし、この2両は既に廃車です。この時点で車籍のあった元京都市電はもういませんでした。この2両が、なぜここにいたのか不明です。モ251形は元京都市電1800形でした。京都市電が廃止となり、1979年に6両が阪堺に移籍しました。製造は1950年~1953年なので、阪堺電車の中では決して古くありませんでしたが、やや小ぶりだったせいか、それともよそ者だったからなのか、16年目にしてお役御免となりました。

 

4.モ706 (我孫子道:1995年12月)

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この頃、じわじわと増殖していたのが冷房付きカルダン車のモ701形でした。珍しく、東急車輛製の路面電車でしたが、毎年1,2両の増備なので東急車輛にしてみれば、煙たい引き合いだったと思います。

 

5.モ704 (我孫子道:1995年12月)

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モ701形はこの年に2両増備されて、11両の大家族になっていました。しかし、不思議とモデルチェンジはなく、他社では新車と言えばVVVF車が当たり前になってきた頃ですが、その気配はまったくありませんでした。

 

6.モ706 (我孫子道安立町:1995年12月)

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モ710はこの年に導入された最新車です。新車お決まりのオリジナル塗装です。この先、どこまでこの車両が増殖するのか、全く興味がありませんでしたが、結局、この年に導入されたモ711が最終増備車となりました。そして、その後の新車は、翌年から投入されたモ601形にチェンジされますが、これまた同スタイル、同性能で見た目は全くモ701形と同じ車両でした。ならば、形式を変える必要はないと思いましたが、実は、廃車となったモ121形の部品流用とのことで、形式を変更したそうです。

 

7.モ301 (我孫子道安立町:1995年12月)

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新車の話題が続きましたが、この電車が来るとなぜかホッとします。モ301は元連結運転用の電車でした。既に連結器は外されて、モ161形と何ら変わらない電車になっていました。派手な広告電車の中では一際シックな、オリエント急行モドキのこの車両は、「すしの子号」です。「すしの子」は関東ではあまり馴染みがない様ですが、大阪では誰でも知ってるアレです。