ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第1203話 1995年阪急(嵐山):嵐山という姨捨山

1990年代も半ばになると、古い電車がことごとく消え去りましたが、気が付くと新しいと思っていた電車まで消え始めました。ここで言う古い電車とは吊掛車であり、新しい電車はカルダン車のことですが、ある日、京都へ出向いた帰りに乗った阪急嵐山線で思いもよらぬ2800系のサヨナラ運転を知りました。

 

1.2855+2805+2865+2815 (嵐山:1995年8月)

思えば、阪急電車のなかで一番好みの電車が2800系でした。幼少のころ、私が乗る神戸線には、そろそろ5000系が走り始めていましたが、神戸線は全車がロングシートでした。しかし、旧梅田駅のちょっと雰囲気が違う1号線に停まっていた京都線の2800系は、2連窓の2扉クロスシート車で、どう見ても神戸線より格が高く、せめて、あの電車に十三まででも乗りたいと、いつもあこがれていました。その2800系が6300系に京都線特急の座を譲ったのは1975年でした。それから2800系は順次3ドア、ロングシート化されて京都線の一般車として残りましたが、いつの間にか本線運用から外れて、阪急京都線姨捨山である嵐山線でひっそりと余生を送っていました。

 

2.2855+2805+2865+2815 (松尾:1995年8月)

しかし、2800系のその後のことなど、すっかり忘れていました。ところが偶然再会した2800系が、いきなり「サヨナラ」運転とは・・・・・。これには焦りました。でも、この日が最後ではありませんでした。しばらくの間、サヨナラ運転が続きました。

 

3.2855+2805+2865+2815 (松尾:1995年8月)

この日は、急遽途中下車して2800系の撮影を行いましたが、もう夕方なので、日を改めて出直すことにしました。

 

4.2815+2865+2805+2855 (松尾:1995年8月)

ここから日が変わって松尾駅です。松尾駅嵐山線の中間駅ですが、相対式ホームなので、形式写真が撮りやすい場所でした。午前中はパンタ付きのM車が順光で撮れました。

 

5.2303+2353+2304+2354 (上桂~松尾:1995年8月)

嵐山線の沿線は宅地化で開けた場所がなく、沿線撮影はどうしても線路際になってしまいますが、単線なのにかつての複線用地が残されているので、午前中であればこのような写真も撮れました。写真は2800系と共に嵐山線の主力だった2300系です。

 

6.2815+2865+2805+2855 (上桂~松尾:1995年8月)

そして、2800系ですが、マルーン1色の阪急電車を見るとなぜか落ち着きます。