今回は魔境探検の最終回で、工場エリアに入ります。掲載写真は、下図の⑲~㉔です。この工場も得体の知れない機械が配置されており、エイリアンでも潜んでいそうな怪しい佇まいでした。さて、まだ早朝なので工場には誰もいません。しばらく外で待っていたら、従業員らしき人が軌道を歩いて来たので、工場の撮影許可をお願いしたところ、軽くうなずいて行ってしまいました。とりあえず、撮影許可ももらえたので工場内へ・・・。
写真⑲
写真⑲は工場の一番東側の建物に入る支線から本線方向を写したものです。写真の右側に写るコンクリートの壁は貯水槽です。恐らく粘土の精製には多量の水を使用するようです。
写真⑳
写真⑳は工場の東側の建屋内に入った軌道の終端部で、ここにトロッコが1両留置されていました。この木製トロはかなり年季が入っている様ですが、朝日を浴びて荘厳な雰囲気でした。この建屋は国道に面した入口があり、恐らくここは粘土の原料が搬入される場所の様です。ちなみに、このトロッコはレールに載っていません。工場内ではレールのない箇所もトロッコは床面を直接往来していた様です。
写真㉑
工場の建屋内にも軌道が敷設されており、トロッコが入線していました。トロッコに積まれているのは製品の粘土板のようです。恐らくこれを軌道脇の乾燥棚に運んで日干しするものと思います。しかしながら、敷設されているレールは外より荒廃しており、錆びてボロボロです。
写真㉒
トロッコに積まれた粘土板は、どうやって作られるのか気になります。想像ですが、原料の土から濾過された微粒の液状粘土を、この工場の機械で水分を濾して凝縮した粘土板にすると思われます。
写真㉓
年季の入った工場です。なんだかわけのわからない機械が並んでいますが、この機械は粘土を濾すための機械と思われます。工場内には本線とつながっていない軌道も敷かれており、各線には粘土板を満載したトロッコが留置されていました。本線につながっていない線のトロッコは、恐らくコンクリート舗装された床面に乗り上げて本線につながる線に人力で移動させていた様です。
写真㉔
この工場内も、不思議な空間でした。
さて、37年前の越戸鉱山の様子をお伝えしましたが、この時は1時間ほどの滞在時間でせわしなく全線を踏破しました。わずかな時間でしたが夢を見ていた様です。
その後1993年にこの地を再訪しました。すでに軌道や工場設備は撤去されていましたが、荷卸し場付近と事務所は残っていました。その時点では、軌道敷の一部は生活道に転用されていました。そして、事務所近くの倉庫には木製トロッコが1両保管されていました。