ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第627話 1992年北陸(石川):ブサイク達のその後(その3)

さて、浅野川線の次は石川線です。

すでに石川線には東急7000系が導入されており、北陸鉄道7000系として運用されていました。しかし、今回は7000系の写真は1枚もありません。石川線訪問の目的は、7000系導入後の旧型車の動向確認でした。

 

1.モハ3751 (鶴来:1992年8月)

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 石川線7000系が導入されてすでに2年が経っていました。7000系は2連5編成が活躍しており、運用は十分に賄えていましたが、なぜか旧型車が残されていました。

残っていたのはいずれも車体更新時期が新しい車両でした。両運車なので、鶴来~加賀一ノ宮間の小運転用に残されたようですが、実態はほとんど使用されていない様子でした。

 

2.モハ3752+モハ3761 (鶴来:1992年8月)

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 モハ3750形は2両共残されていました。これらの車両が残れた理由は、7000系導入時に昇圧されなかったからです。東急7000系はDC1500V車でしたが、石川線では昇圧を見送り、東急7000系をDC600Vに降圧して導入しました。よって、旧型車も生き残れたわけですが、在籍車を一斉交換する度胸がなかったのかも?

 

3.モハ3761+モハ3752 (鶴来:1992年8月)

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モハ3760形はモハ3761だけが残りました。もう1両のモハ3762は、前述の通り、クハ1301に改造されて浅野川線に転出しました。

その後も残された旧型車は、予備車という名目でずるずると生き延びました。

 

4.ED301 (鶴来:1992年8月)

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 昇圧されなかったので、2両の電気機関車も生き延びていました。

ED301は除雪装置を外していましたが、車端デッキ部には除雪装置取付用の補強枠が常設されており、完全に除雪専用になっていました。ところで、ED301は現在若桜鉄道の隼駅で保存されています。この機関車は若桜鉄道とは縁もゆかりもありませんが、末永く保存されることを願うばかりです。

 

5.ED201 (鶴来:1992年8月)

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こちらはお宝のED201です。夏なのにラッセルを付けっぱなしで、こちらも除雪専用です。

 

6.旧モハ3732 (鶴来:1992年8月)

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 車庫内には、もう1両旧型車がいました。番号が消されていましたが、これは7000系導入時に廃車となったモハ3732でした。すでに車籍はなく、この時点でこの車両が残されていた理由がわかりません。

さて、1992年当時の北陸鉄道浅野川線石川線に残っていった、旧型車の状況をお伝えしましたが、なんだかんだブサイク達は残っていました。しかし、石川線の方はすでに運用離脱のようで、もう走行を見ることはありませんでした。

残るは浅野川線です。浅野川線は1996年に昇圧して京王3000系を導入しますが、それまではお付き合いが続きます。