ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第789話 1993年名鉄(揖斐):平成の大正ロマン(その3)

この日は早朝から伊自良川橋梁で一通りの列車を撮影したので、撮影場所を移動しようと歩き始めた時、振り向くとモ510形の2連がやって来ました。危うく撮り逃すところでしたが、慌ててカメラを取り出して何とか間に合いました。

 

1.モ512+モ513 (旦ノ島~尻毛:1993年8月)

f:id:kk-kiyo:20210328173420j:plain

 モ510形2連は忠節行きでした。まさか忠節行きにこの2連が来るとは意表を突く攻撃です。そして忠節行きなので、すぐに戻って来ます。急いで次の撮影場所へ移動です。

 

2.モ704+ク2327 (下方~相羽:1993年8月)

f:id:kk-kiyo:20210328173448j:plain

 次の撮影場所は下方です。下車して駅のすぐ近くから、乗って来た電車を後追い撮影したのがこの写真です。さて、モ510形2連をどこで撮影するか。結局無難な鉄橋で撮影することにしました。

 

3.モ704+ク2327 (政田~下方:1993年8月)

f:id:kk-kiyo:20210328173529j:plain

 この鉄橋は、今までにも何度も撮影したお馴染みの場所ですが、揖斐線は比較的住宅街を通っており、適当な撮影地が少なく、先程まで撮影していた旦ノ島~尻毛間の伊自良川橋梁の他は、下方周辺と、この根尾川橋梁くらいでした。

 

4.モ704+ク2327 (政田~下方:1993年8月)

f:id:kk-kiyo:20210328173601j:plain

 そろそろラッシュも落ち着いてきたようで、2連の車内もすいてきたようです。

 

5.モ770形 (政田~下方:1993年8月)

f:id:kk-kiyo:20210328173625j:plain

 モ510形はまだ来ません。続いて市内線直通の770形です。ラッシュ時は肩身が狭いモ770形ですが、日中は揖斐線内急行の市内線直通となり大活躍です。この車両は、間接自動制御のカルダン車なので加速性能が在来車よりも優れていましたが、この時点では在来車の性能に合わせたランカーブで走らざるを得ず、揖斐線の高速化は図れず、勿体ない状況でした。

 

6.モ770形 (政田~下方:1993年8月)

f:id:kk-kiyo:20210328173704j:plain

写真を見ると、モ770形の各扉の下部にステップが張り出しているのがわかります。 

モ770形は折畳み式ステップ付きの路面電車タイプですが、揖斐線内はどの駅のホームも鉄道線車両(高床車)用であり、折畳みステップを使う必要はありません。しかし、鉄道線車両に比べて車体幅が狭いので、揖斐線内は車両とホームとの隙間を埋めるため、伸縮式のステップを出したまま走りました。この伸縮式ステップは、市内線走行時には引っ込んでおり、代わりに電停に停車時は、伸縮式ステップの下側に格納された折畳み式ステップを使用しました。これはモ510形から引き継ぐ市内線直通車の伝統でした。