ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第814話 1993-94年広島:広電の神戸市電

今回は、広電で活躍した元神戸市電の話題です。

広電では、市内線用として1965年より路線縮小で余剰車が発生した大阪市電から36両もの電車を譲受し、戦前からの小型単車を一挙に淘汰しましたが、その第2弾として1971年より路線廃止となる神戸市電から29両も譲受し、初代600形、初代700形、初代800形などの疲弊した戦前製のボギー車を淘汰しました。

今回は、広電が譲受した元神戸市電1100形、1150形、570形の1993年~1994年頃の様子をお伝えします。なお、広電が譲受した元大阪市電の車両の様子は第687話~第689話をご覧下さい。

 

1.1103 (広大付属校前:1994年2月)

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 神戸市電は、「東洋一の市街電車」と言われただけあって、デザイン的にも優れた車両が多く、広電においても際立っていました。しかし、この頃は広告電車に抜擢された両数が多かったので、撮影をためらっていましたが、それでもオリジナル塗装が何両か存在していたので、それらを追い掛けていました。

 

2.1105 (宇品:1994年2月)

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 まあ、広告電車と言えども、結構サマになりました。やはりヨーロッパ調の車体デザインは、過激な広告塗装も芸術作品に変えてしまうほどの威力がありました。

この1105は、神戸市電では一番最後に製造された1960年製の最も新しい車両でした。この頃は、広島と姉妹都市になったハノーバ―の塗装を模していましたが、その後事故に遭い廃車となる運命です。しかし、この不可解な塗装は1155に受け継がれます。

 

3.1103 (広大付属校前~皆実町六丁目:1994年2月)

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 この頃の元神戸市電は、3形式存在しましたが、1100形と1150形は素人目には同じ車両です。ちなみに、1101~1103は窓枠が木製で、1104,1105は1150形と同じ上部Hゴム支持の鋼製窓枠でした。

 

4.1104 (海岸通:1993年12月)

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 私個人的には、木製窓枠の方が好みですが、この1100形以前の神戸市電はドア配置が前後2か所だったので、大きな側窓が整然と並ぶ姿は実に優雅でした。

 

5.1101 (原爆ドーム前本川町:1993年8月)

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 この電車は、1100形のトップナンバーです。大手電機メーカーの広告電車に抜擢されていました。1100形は5両中4両が広告電車になっていました。

 

6.1103 (広大付属校前:1994年2月)

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 1103は1100形唯一オリジナル塗装車でした。この車両を追い掛けて広島市内を走りまわりましたが、結構、1系統と3系統で運行されていました。