ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第919話 1994年南海(貴志川):そろそろ噂が!

関空開業でCI化が進む南海電車でしたが、貴志川線もそろそろ車両交代の噂が聞こえて来ました。しかし、この路線に新車が投入されるとは考えられません。路線が昇圧されるとも考えにくく、本線から降圧改造された中古車が一挙にやって来るのか?いったいどうなることか?

 

1.モハ1202+モハ1241 (吉礼~伊太祁曽:1994年1月)

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 しかし、どうあれモハ1201形達は引退となります。まもなく、お隣の野上電鉄が廃止される頃でした。少しは貴志川線も気にしなければなりません。そんなわけで、野上訪問のついでに貴志川線に出向きました。

 

2.モハ1202+モハ1241 (吉礼~伊太祁曽:1994年1月)

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 この頃の野上電鉄はすでに店じまいムードでしたが、貴志川線はモハ1201形がガンガン走っていました。老体ではありますが、引退とはもったいない話です。もし、野上電鉄が生き延びて、橋梁の重量制限も問題なければ、貴志川線のモハ1201形が野上電鉄に再就職していたかも知れません。

 

3.モハ1218+モハ1204 (吉礼~伊太祁曽:1994年1月)

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 ところで、1994年はラピートが導入された年です。ラピートはモハ1201形と同じ電車とは思えない風貌ですが、私にはラピートの良さがわかりません。

 

4.モハ1210+モハ1217 (伊太祁曽~東山:1994年1月)

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 さて、この日は伊太祁曽から岡崎前まで歩きながらの撮影です。冬枯れた風景ですが、シックな車両にはちょうど良い光線具合でした。

 

5.モハ1218+モハ1204 (伊太祁曽~東山:1994年1月)

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  この日は穏やかな晴天でした。滞在時間があまりありませんでしたが、良い写真が撮れました。恐らく来年あたりには、大きな変化があると思われましたが、実はその後、南海電鉄の方と仕事をする機会があり、ここぞとばかりに色々と情報を頂き、貴志川線がどうなるのか詳細をキャッチできました。

 

6.モハ1218+モハ1204 (岡崎前~吉礼:1994年1月)

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 情報によれば、貴志川線は昇圧せず、本線から22000系を改修して導入するとのこと。22000系は元々南海高野線の昇圧を見込んで、複電圧車で製造されていました。その盲腸の様な機能が再び活かされることになりました。

 

7.モハ1210+モハ1217 (岡崎前~吉礼:1994年1月)

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 そして、わざわざ南海電鉄の千代田工場で改造中の22000系を見せて頂きました。すでに22000系は一部が高野線から支線用に転じていましたが、貴志川線用の車両は、貴志川線固有の改造が施されていました。

 

8.モハ1210+モハ1217 (岡崎前~吉礼:1994年1月)

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例えば、ワンマン化による先頭部ドアの移設と片引き化、前面の非貫通化などが明らかになりました。そして、もう大運転の必要もなくなるので、MT化されて当然弱め界磁制御も外されました。この車両の登場は1995年4月とのことで、モハ1201形の最後の活躍を見届けるため、その後も何度か貴志川線を訪問しました。