ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第1026話 1994年立山砂防:ダイヤなき復旧の春

当ブログの第927話~第929話では、冬眠から目覚めて水谷へ向けて軌道の復旧作業が始まった立山砂防軌道の様子をお伝えしましたが、今回もその続きです。立山砂防軌道はその年の積雪にもよりますが、概ね4月下旬から6月頃まで、砂防工事以前に自らを復旧するために忙しい時期です。

 

1.人員輸送列車 (中小屋付近:1994年5月)

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やはり半年間の冬眠の間に、いろいろと軌道が傷ついており、時には雪崩や土砂崩れで軌道がそっくり消えていることも!!。被害の程度によっては、砂防工事にも影響が出ます。

 

2.人員輸送列車 (天鳥堰堤付近:1994年5月)

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よって、この時期は軌道のいたるところで保線工事が行われており、立山砂防軌道の風物詩となっています。そして、この時期は列車運行ダイヤもなく、列車は適当にやってきました。列車交換設備のある連絡所もまだ営業しておらず、連絡員のオバちゃんも居ません。列車は無線で連絡を取り合っている様ですが、列車同士の事故が起きないことに感心します。

 

3.人員輸送列車 (天鳥トンネル:1994年5月)

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まだ全線開通していないのに、意外と人員輸送列車が頻繁に走ります。恐らく軌道の沿線には重機が入れないので、人海戦術なのでしょう。そう言えば、第927話の天鳥橋復旧工事も人力でした。

 

4.人員輸送列車 (中小屋スイッチバック:1994年5月)

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中小屋のスイッチバックで休んでいたら、人車列車が下ってきました。天鳥橋の復旧が終ったようです。これで、桑谷連絡所まで開通したものと思われます。

 

5.人員輸送列車 (中小屋スイッチバック:1994年5月)

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ところで、この列車は何かモタモタしています。どうやらスイッチバックの転轍器を手動で切り替えているようです。普段は自動化されていますが、これを折返しの度に手回しするのは大変です。機関車に箱乗りしているオジさんが忍者の様に飛び回っていました。これぞ立山流箱乗りの極意です。環七を走る暴走族の人達にも見せてあげたいです。

 

6.人員輸送列車 (中小屋スイッチバック:1994年5月)

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この区間スイッチバックは、それほど段数は多くありませんが、樺平のスイッチバックなど、17段を手動で切り替えとなれば大仕事です。

 

7.人員輸送列車 (中小屋付近:1994年5月)

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再び作業員を乗せた列車が登って行きました。今度は何の作業なのか?この時期はまだダイヤ通りの運行ではなく、復旧作業ありきの運行の様でした。