ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第1196話 1996年近江:どうした西武の大型車?(その2)

この日の撮影目的は、元西武401系の導入により淘汰されるであろう、1系、500系の走行を撮ることでした。すでに彦根構内には、多くの元西武401系が留置されており、これらが運用されれば、間違いなく1系、500系はなくなります。しかし、1993年に先行して導入された元西武401系が800系として竣工したものの営業に投入されずに留置されており、その後も留置車の改造が進んでいないことから、いったいどうなっているのか不可解でした。まさか、800系がデカすぎて、後追いで線路改修を行っていたとは、この頃は知りませんでした。

 

1.モハ506+クハ1506 (彦根鳥居本:1996年11月)

よって、この頃はまだ20m車が走れなかったわけで、1系も500系も引退させることができなかったので、焦って撮影を急ぐ必要もなかったと言うことです。しかし、そんな裏話は知らず、この頃はよく彦根に通いました。

 

2.モハ2+クハ1222 (彦根鳥居本:1996年11月)

この日は1系と500系を撮りに来たのですが、先ほどから500系ばかりで、1系が現れません。再びトンネル付近で待っていたら、ようやく1系が現れました。この電車は、一応、近江型湘南電車とでも言いましょうか、独特の風貌をしていますが、製造当初はオデコ1灯ではなく、窓下左右に2灯で、オデコには行き先表示が付いており、もう少し垢抜けていましたが、なぜか先祖帰りして田舎臭くなりました。しかし、より湘南電車ぽくなり、これはこれで良いのかも知れませんが、この黄色塗装は最悪です。

 

3.モハ2+クハ1222 (彦根鳥居本:1996年11月)

恐らく、西武鉄道を意識して黄色くしたのでしょうが、せめて灰色の帯くらいは、何とかならなかったのか?たしか、この黄色になる前は、西武鉄道の旧塗装を模したものでした。それもどうかと思いますが、黄色よりはマシです。

 

4.モハ2+クハ1222 (彦根鳥居本:1996年11月)

モハ2の折り返しも同じ場所で撮影しましたが、トンネルの彦根側は、陽の向きが真正面になりました。もう陽が傾いてきたので、この日はこれにて撤収です。

 

5.モハ4+クハ1219 (五箇荘~愛知川:1996年11月)

ここからは別の日の撮影です。ここは五箇荘近くの愛知川(えちがわ)橋梁です。幸先よく1系がやってきました。本来であれば、このような電車には興味あはりませんが、だんだんと趣味の対象となる旧型車がいなくなってきたので、やむを得ません。

 

6.モハ4+クハ1219 (五箇荘~愛知川:1996年11月)

ところで、この電車は空気ばね台車を履いています。元をただせば、モハは昭和初期の宇治川電気の木造電車、クハは明治時代のマッチ箱客車に遡る支離滅裂な車歴の持ち主ですが、台車以外の主制御装置やブレーキ制御装置もことごとく更新されており、廃車を急ぐ理由もありません。これらの電車の車歴については、第468話の車歴表をご覧下さい。