水海道機関区では、車両の検査もオープンに実施されていました。
当時のローカル私鉄では、どこでも見られた光景です。
1.検査入場中のキハ611 (水海道:1987年1月)
ちょうどキハ611の台車入れを見ることができました。台車は菱枠型のTR29です。しかしこんな華奢な台車でも100km/hくらいで走れる実力がありました。たいしたものです。
2.キハ611 (水海道:1987年1月)
車両は年季が入っていましたが、このボディージャッキもかなり年代物のようでした。水海道機関区はこの3年後に南水海道に移転しますが、さすがにこのボディージャッキは転車台等と共に廃棄、されました。
3.キハ614、キハ802 (水海道:1987年1月)
間抜けな話ですが、キハ610形は形式写真を撮ることに熱中していたので、気が付けば走行写真が1枚もありません。 しかも、キハ610形ばかりか常総線のほとんどの車両がそうです。
4.ラッシュ時の凸凹編成キハ551+キハ721+キハ803 (取手:1987年1月)
さて、常総線にはキハ610形と同様に元国鉄キハ42000系の車体を流用した改造車がもう1両いました。それが1形式1両で、キハ610形とは違った顔のキハ550形キハ551です。
5.キハ551+キハ721+キハ803 (取手:1987年1月)
キハ551(注1)は元々国鉄キハ42000系ですが、キハ610形とは全く導入経緯が異なります。この車両は国鉄を廃車となって1964年に江若鉄道へ譲渡され、江若で総括制御化、貫通化されました。その後、江若鉄道が廃止されると1969年に加越能鉄道へ移り、更に加越能鉄道が廃止されて1973年常総線にやって来ました。
(注1)キハ551の車歴
関東キハ551←加越能キハ162←江若キハ5124←江若キハ24←国鉄キハ0724←国鉄キハ42523←国鉄キハ42202←国鉄キハ42023:1936年川崎車輌製
この車両も、戦前製の機械式ガソリン動車が前身で、戦時中は代燃化(天然ガス動車)され、戦後にディーゼル化された経緯があります。
6.キハ551 (水海道:1987年1月)
キハ551は江若時代に、あの大鉄車輌の改造によって、この冴えない顔になりました。
なお、常総線に来た時には、すでに貫通化されていたので、この顔はたいして手を付けず、前面窓のHゴム化と前照灯の位置を変えた程度で、片運化、中央ドアの両引化、ステップ撤去、ロングシート化が実施されました。
7.キハ551 (水海道:1987年3月)
キハ551は 容姿こそ異なりますが、基本仕様はキハ610形とほぼ同じなので、キハ610形の仲間に入れてあげても良いと思いましたが、かつてのライバルだった江若の生き残りに関東鉄道はあえて別形式を付けたのでしょうか?