ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第427話 1986年国鉄(北海道):酷寒の気動車(その3)

冬の北海道はやはり寒く、暖房の効いた列車から降りて撮影するのが面倒になってしまい、あてもなく、ひたすら列車に乗り続けました。

そしてこの日は、前日の夜に札幌から急行大雪号に乗り、網走方面を目指しましたが、せっかくなので流氷を見るため夜中に遠軽名寄本線の始発に乗り換えて、興部方面に向かいました。早朝、車内からオホーツク海の日の出を仰ぎ、幻想的な流氷を拝めたので、下車することなく、興部で折返しました。

 

1.名寄本線キハ53506 (渚滑:1986年3月)

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興部から中湧別に戻る途中、渚滑でキハ53506とすれ違いました。この車両は、急行用の片運車を両運化したもので、ローカル運用にも使用されていました。
以前、第48話、第233話で有田鉄道のキハ58003の話題を報じましたが、このキハ53506は国鉄がそれを模して改造した車両です。とうとう天下の国鉄もローカル線を見習う時代になってしまいました。この頃、名寄本線には辛うじて急行紋別号が存在しましたが、それも2両編成の急行で、閑散期はこのキハ53形500番台の単行でも十分なほどでした。

 

2.名寄本線キハ22312 (中湧別:1986年3月) 

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この写真はその後の乗り換えで下車した中湧別の様子です。

キハ22312は、これから乗車する列車ですが、この列車は最果ての湧別始発でこれから網走に向かいました。

 

3.富良野線美馬牛駅 (美馬牛:1986年3月)

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 そして、日が変わりこの写真は富良野線の美馬牛(ビバウシ)という小さな無人駅です。

この半年前にもこの近くを訪れましたが、いかにも北海道的な風景が気に入り、再びやって来ました。しかし、まさかの豪雪地帯でした。とても沿線撮影などできる状況ではありませんでした。

 

4.富良野線キハ40106+キハ53503 (美馬牛:1986年3月)

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 結局、美馬牛ではこんな写真しか撮れませんでした。

 

5.広尾線キハ22形 (北愛国~愛国:1986年3月)

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 さらに日が変わって、ここは今は亡き広尾線です。天気が良かったので、思い切って下車して撮ったのが、この写真です。かつて、愛国駅から幸福駅までの切符が大ブームとなった、あの愛国駅の近くです。

 

切符と言えば・・・ 当時の切符がありますのでご参考までに掲載します。

 

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左の切符は厚床駅で購入したものですが、常備の硬券かと思っていたらゴム印+手書きの立派な切符でした。行き先の奥行臼は隣駅ですが、11kmも離れているので料金は200円でした。しかし、普段は奥行臼まで切符を買う人がいないのか、この切符を購入するのに結構時間が掛かりました。でもこの切符には手抜きがありません。スタンプも綺麗に押されて、隣駅までなのに、律儀に標津線経由と記載されています。最初から使用する目的はありませんが、十分な旅の記念になりました。昨今は「鉄印」なるものがはやっているようですが、この切符でも十分ではないかと思います。

上の真ん中は標津線、右は深名線の車内補充券です。この2枚は少し小さい車内補充券ですが、いずれも1日に3,4往復しか走らない列車内で購入したものです。標津線の切符は車掌さんにお願いして、記念に厚床~奥行臼までの子供料金100円で購入したものですが、この列車は厚床から中標津まで乗客は私一人だったので、全線47kmの売り上げはたったの100円ということです。乗った車両はキハ40形だったので恐らく燃料代だけでも7000~8000円程掛かると思われ、これに乗務員の人件費や車両整備費など考慮するとどれほどの赤字になるのか?

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この4枚は、左から天北線名寄本線留萌本線深名線士幌線広尾線の車内補充券です。当時の北海道は路線が多かったので、車内補充券もバラエティーでした。ただ難点はどれも同じような国鉄様式の切符でした。

この時の旅行は、周遊券利用だったので、北海道内の国鉄路線は全線乗り放題でしたが、記念と言うか、写真整理の際の足跡確認のために、結構切符を購入していました。これが当時の記憶を辿るのに、今頃になって大活用しています。券面に記載された駅名は、なくなってしまったところも多く、当時が懐かしいです。

ところで、最近ではチケットレス化が進み、車内で乗車券を買うこともなくなりました。それどころか駅の自販機で切符を買うこともまずありません。切符の買い方を知らない子供もいるようです。