ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第1013話 1989年西鉄:遅すぎた出会い

今回はローカル線ではなく、九州最大手である西鉄の古い電車の話題です。

この日、私は出張で福岡へ来ていました。仕事は前日で終わり、この日は土曜日で東京へ帰るだけだったのですが、福岡まで来ていてそのまま帰るはずもありません。早起きして三池炭鉱へ向かいました。ところが、西鉄の福岡から新型特急8000系に乗って、一路大牟田へ移動中に、突然古風な電車が目に飛び込んできました。それは、西鉄200系でした。

 

1.モ215+サ260+モ219(廃車) (柳川:1989年9月)

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西鉄200系と言えば、西鉄の前身である九州鉄道が開業時に導入した国鉄のキハ42000形モドキの電車で、西鉄本線で活躍した後、甘木線で余生を送った車両ですが、当時の私の知識では、この年の春に甘木線を引退して廃車になったはず。しかし、現車を目の当たりにして、これは見過ごすわけにはいきません。とりあえず、戻って確認したいところでしたが、この日の予定だった三池炭鉱は捨て難く、先ずは三池を見てから、200系の確認に向かうことにしました。

 

2.モ215+サ260+モ219(廃車) (柳川:1989年9月)

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そして、三池炭鉱を訪問した後に向かったのは西鉄柳川車庫でした。そこには、特急電車から見えた200系3連と他にも2連が2本保管されており、その2連には元博多湾岸鉄道汽船のガソリン動車を前身とするクハ60形も含まれていました。今回の200系遭遇は、気動車バカの私にとって願ってもいないご褒美になりましたが、すでに廃車となった痛々しい姿は、遅すぎた出会いでした。

 

3.モ215(廃車) (柳川:1989年9月)

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しかし、どうしてここに200系が7両も保管されていたのか?職員さんのお話では、廃車留置とのことで、いずれは解体の運命。ところで、この柳川車庫の他にも筑紫車庫には200系の動態保存車も保管されているとのビッグ情報を頂きました。

 

4.モ215(廃車) (柳川:1989年9月)

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取り急ぎ、柳川車庫の200系を撮影させて頂きました。どの車両も廃車されてからまだ5ヵ月程しかたっていないので、それほど朽ちていませんでしたが、なぜか外板のパテ剥がれがひどく、あちこちタッチアップされて痛々しい姿です。もしかすると廃車前からこんな状態だったのかも知れません。

 

5.サ260(廃車) (柳川:1989年9月)

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200形は、クハ60形を含む2連、3連、4連のラインナップでしたが、この日、柳川車庫で確認できたのは、下記の車両です。

・3連:福岡← モ219+サ260+モ215 →大牟田

・2連:福岡← ク62+モ204 、ク64+モ202 →大牟田

 

6.モ215(廃車) (柳川:1989年9月)

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200形の車体は、見た目がかつての機械式気動車にそっくりですが、実際に車体構造は製造当時の半鋼製気動車の設計思想で造られており、軽量車体となっていたそうです。外板がベコベコなのはそのためかも知れません。