ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

号外2025.08.07 神奈川臨海(本牧):定着しない貨物輸送(その3)

神奈川臨海鉄道本牧埠頭線はわずかな距離ですが本線である本牧線よりも撮影ポイントが濃縮されています。しかし、列車の運行は平日の昼前後に2往復(内1往復は単機回送)だけなのが悩ましいです。

 

地図1.本牧埠頭線周辺撮影地点 (引用:国土地理院1/25000地形図 GSI Maps)

今回は地図1に示す撮影ポイントの写真⑫~⑰の様子です。

 

写真⑫

写真⑫は、団地内の跨線橋から本牧埠頭方面の本牧埠頭線を撮影したものです。この向きは昼前から順光となるので、撮影に適しています。線路の両側は道路になっていますが、右側の道路は神奈川臨海鉄道の敷地の様で、関係者以外は立入禁止です。左側の道路は団地内の道路ですが線路との境界には高いフェンスが設置されているので撮影し辛く、この跨線橋は有難い存在です。なお、この団地内の線路は、この写真の線路が右にカーブした先にある踏切で終わりです。

 

写真⑬

写真⑬は本牧埠頭線が港湾道路と交差する踏切から本牧埠頭駅方向を撮影したものです。道路の向こう側は本牧埠頭駅の構内です。

 

写真⑭

写真⑭は本牧埠頭線と港湾道路の交差部を港湾道路から撮影したものです。道路が広いので、どこに線路が敷かれているのか、一見迷ってしまいますが、道路の両側をよく見ると警報機が設置されています。この交差部は歩道部分のみ遮断機がありますが、列車の通過時は道路信号で自動車を止めます。

 

写真⑮

写真⑮は踏切部から本牧埠頭駅構内を撮影したものです。ここでは、貨車への荷物の積み降ろしが行われますが、この日は休日で貨物列車も運休なので、構内は閑散としています。

 

写真⑯

本牧埠頭駅は当然立入禁止です。また、構内外周の道路も港湾地帯なので立入禁止です。よって、本牧埠頭駅の奥の方には行くことができません。とりあえず、写真⑯は本牧埠頭駅構内を望遠撮影してみました。写真の背景には大量のコンテナが見えていますが、これは本牧埠頭C突堤コンテナターミナルに山積みされた海上コンテナです。

 

地図2.本牧埠頭駅周辺図(引用:国土地理院1/10000地形図「関内」昭和60年発行)

地図2は昭和60年頃の本牧埠頭駅周辺図です。この地図では、以前の本牧埠頭駅は、この構内から奥の本牧埠頭C突堤方向に線路が延びており、スイッチバックして、このコンテナホームの裏側に荷役線がありましたが、現在は倉庫になっています。

 

写真⑰

写真⑰は本牧埠頭駅のコンテナホームです。まだ新しそうですが、これは本牧埠頭B,C突堤に隣接する本牧埠頭駅を活用した海上コンテナ輸送の効率化の実証実験のために2008年に設置された設備ですが、残念ながら実証実験は陽の目を見ないまま終わってしまい、これらの設備は残された遺産です。そんな実証実験のことなど全く知りませんでしたが、どうも貨物輸送は定着しません。本牧線には明るい未来はあるのか?。これで本牧埠頭線の探訪は終わりですが、次にお伝えする国際埠頭線の探訪は更に悩ましいと言うか、とてもミステリーな状況です。

おわり