もう少し、「FUKURAM」の蘊蓄が続きますが、お付き合い願います。
1.福井鉄道F1001
Incentroモドキは3車体となり、ようやく貫禄が付いてきました。朝陽を浴びて、カッコイイ写真でも撮ろうかと思いましたが、後ろの木造の検車庫が何ともミスマッチです。
2.福井鉄道F1001(車内)
これは「FUKURAM」の車内です。飾り気のない何ともシンプルなデザインですが、やはり従来のIncentroモドキより200㎜も広いので、ゆったりとしています。しかし通路幅は拡幅できないため狭軌の車体なので最小幅は710㎜です。これが熊本市交0800形などの標準軌車体では約770㎜なので標準軌車体に比べて約60㎜狭い実態ですが、軌間の差(1435㎜ー1067㎜=368㎜)に比べて通路幅の差が小さいのは、標準軌台車の軸受位置(台車枠)が車輪のインサイドに対して狭軌台車はアウトサイドであるためです。通路幅の拡幅が出来ない代わりに座席幅の拡幅が出来たわけで、従来は1人もしくは1.5人掛けだったクロスシートが、2人掛けで構成できました。
3.福井鉄道F1001(座席)
これが、車体拡幅で広くなった腰掛です。座席は独立車輪のタイヤハウスの位置とサイズに左右されます。タイヤハウスの都合、この部分のロングシート採用は無理があります。やはりロングシートを採用するには、フロート車体の組み込みが必要です。もし、ロングシートの要望があるなら、その時は本物のIncentroの登場となるのでしょうが、もうIncentroの時代ではないようです。
4.えちぜん鉄道L形
そして、これが「FUKURM」の相棒となる、えちぜん鉄道のL形「ki-bo」です。相互直通運転のお付き合いで導入されたLRVですが、低廉化のため車体規格は「FUKURM」と同じIncentroモドキです。しかし、こちらはなぜか2車体です。予算の都合なのか?。
5.宇都宮ライトレールHU303
最後は宇都宮ライトレールHU300形「LIGHTLINE」です。前面形状こそ違いますが、その他は「FUKURAM」がベースとなったIncentroモドキです。さすがに17編成も製造されたので前面形状は刷新されました。
6.宇都宮ライトレールHU305(車内)
車内もシンプルな福井と対照的に凝っています。これは量産効果の賜物?。大型Incentroモドキの集大成と言ったところでしょうか。
7.宇都宮ライトレールHU314
しかしながら、このLRVがIncentroの車体をまといGTタイプの台車を履いていることは事実です。その理由は国内に存在する多くの仲間にあやかったからなのか?。今となっては本家のヨーロッパにはない国内独自のLRVモデルとしてIncentroモドキは自立していますが、これはいまだに新潟鐵工が仕掛けた呪縛の延長上にあることに相違ありません。そして、もうこれが最後のIncentroモドキになると思われます。