ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第1303話 1998年海外編(アントワープ):PCCが似合う街!

今回の話題も海外視察の一連で訪れたベルギーですが、ブリュッセルではなくアントワープです。アントワープはベルギー第二の規模の都市で、もちろんトラムも走っています。ブリュッセルからはインターシティーで40分程の場所ですが、こちらはオランダ語圏です。ちなみにアントワープの読み方は英語読みで、オランダ語ではアントウェルペンです。私には「フランダースの犬」で知ったアントワープの方が馴染みがあるので、当ブログではアントワープとします。

 

1.アントワープ中央駅構内 (Antwerpen Centraal:1998年7月)

ここはベルギー国鉄アントワープ中央駅です。ちょうど駅舎の改修工事の最中でしたが、ヨーロッパの駅らしいとても荘厳な空間です。ホームに停まっているのはローカル列車です。

 

2.7025 (Rooseveit-plaats~Centraal Station:1998年7月)

さて、アントワープのトラムですが、ブリュッセルのSTIBの運営ではなく、こちらはベルギー北部のフランデレン地域の公共交通を統括する、フランデレン交通公社(De Lijn)の運営です。

※フランデレン=フランドル=フランダース

アントワープのトラムの歴史は古く、1873年に開業した馬車軌道にまで遡ります。開業以来、運営母体が何度も変り、現在のDe Lijnの運営となったのは1988年です。また、ブリュッセル同様に市街地のプレメトロ化が1973年から始まり現在進行形です。

 

3.トラム路線図(2015年時点)

上図は2015年時点のトラムの路線図です。私がアントワープを訪れた1998年当時に比べて路線の延伸と系統の見直しがされていますが、現在は更に変わっています。この路線図の青色の区間はプレメトロですが、アントワープにはスタンダードのメトロは、まだありません。

 

4.トラム系統図

上図はトラムの系統図です。これは2015年よりも前のものですが、ほぼ1998年当時の系統と同じです。この系統図によれば、トラムの各系統は、すべてがアントワープの中心街を通っていることがわかります。

 

5.7037 (Centraal Station~Rooseveit-plaats:1998年7月)

今回は、1998年当時の市街地のメインストリートを走るトラムの様子をお伝えします。この通りは、Gemeentestr.と言うアントワープ中央駅の目の前の大通りです。

 

6.7025他 (Rooseveit-plaats~Centraal Station:1998年7月)

この当時のトラムは10系統ありましたが、そのうちプレメトロを含む7系統がアントワープ中央駅前を経由していました。

 

7.7001 (Rooseveit-plaats~Centraal Station:1998年7月)

この頃のトラム車両は、まだLRVなど全く導入されておらず、オーソドックスな7000形が1種類しかなく、この7000形は1966年から1975年までに166両が製造されました。

写真の航空会社の広告電車は、記念すべき、そのトップナンバーです。ところで、この7000形はPCCです。この当時は全てが7000形PCCなので、どこへ行くにも、どこへ行ってもこの車両です。しかしながら、レトロなアントワープには、このPCCが妙に似合います。アントワープはPCCの街でした。