今回もDamrakのトラムの様子です。現在この通りの地下には2018年に開業した一番新しいメトロ南北線(系統52番)が運行されています。南北線はアムステルダム北部のNoordから中央駅を経由して既設メトロのZuidに至る路線です。この地下鉄開業でおそらくトラムの系統見直しがなされたと思われますが、日本のように地下鉄が開業したら路面電車を廃止するようなことはありません。
1.アムステルダム中央駅付近の撮影場所詳細
さて、今回はトラム車両について補足します。1998年当時のアムステルダムのトラムは、3両連接車が基本でした。トラム路線は基本的に両端ループなので、一方向運転の片側運転台車両で、右側通行のため、進行方向左側には乗降扉はありません。なお、LRTである系統5番専用車は専用軌道区間のシャトル運転用に両運転台車で、乗降扉は両側配置です。
2.661 (②:Dam~Spui:1998年7月)
この当時の車両は、この丸っこい車体が特徴の3G形~7G形(注1)が主力でした。このタイプがアムステルダムのトラムを代表する車両でした。この他は、多少近代化された8G、9G形、中間車をノンステップ車としたセミ低床の10G形、LRTである系統5番専用車で10G形ベースの両運転台車の11G形、そしてこの時点の最新車である11G形ベースの片運転台車の12G形が在籍していました。いわゆる超低床のLRVはまだ導入されていませんでしたが、2002年からシーメンスの5車体コンビーノが順次導入されました。
3.661 (②:Dam:1998年7月)
この写真は5G形661のお尻です。一見、観音扉風のリアマスクですが、非貫通です。
4.705 (②:Dam~Spui:1998年7月)
(注1)3G形~7G形の車歴
・3G形:602~634:1951年~1961年Beijnes製
・4G形:635~652:1963年Beijnes製
・5G形:653~669:1964年Werkspoor製
・6G形:670~699:1966年~1967年Werkspoor製
・7G形:700~724:1967年~1968年Werkspoor製
5.837 (②:Dam:1998年7月)
この写真は最新車の12G形(注2)です。このスタイルは中間車をノンステップとした1980年製の10G形以降踏襲されていますが、味気ないG10形に比べて多少前頭形状に意匠が凝らされています。
(注2)G12形の車歴
・12G形:817~841:1990年~1991年BN製
6.831 (②:Dam:1998年7月)
この写真は12G形831のお尻です。なんとも味気ないお尻です。なんだかイモ虫のお尻の様にも見えます。