今回はアントワープ視察の第2弾です。前回の第1303話~第1305話では、アントワープ中央駅前のトラムの様子をお伝えしましたが、今回は、そのすぐ近くの旧市街地を走るトラム10,11番系統の様子です。
1.トラム系統図

この10,11番系統はアントワープの東部と市街地を結ぶ路線で、共に旧市街地は同じ単線のループ路線を走りますが、ビルの谷間の路地を走る情景はリスボン市電を思い出します。
2.1998年当時のトラム路線図(撮影場所抜粋)

この地図の赤線はトラム(赤破線はプレメトロ)、青線はバスの路線を示します。
3.1998年当時のトラム路線図拡大版(撮影場所抜粋)

このループ路線は、大昔の馬車軌道時代の名残の様です。併用軌道ですが、道路幅が狭く、建物が密集しており、終点で折り返しのループが造れなかったのか、旧市街地をグルッと1周して折り返す線形になっています。沿線にはアントワープの象徴とも言える、ノートル・ダム大聖堂があります。そして、この大聖堂には、あの「フランダースの犬」の主人公であるネロ少年が最後に観たルーベンスの有名な絵画が展示されています。せっかくなので、これを観なければなりません。
4.7002他 (Roosevelt-plaats~Sint-Jacob:1998年7月)

アントワープのトラムは右側通行です。旧市街地の単線ループ路線は、右回りなので、複線区間からループに入る場所では線路がクロスします。ここはループの入口です。写真はループに入って行く電車を後追い撮影したものですが、手前に線路のクロスが写っています。
5.7001 (Roosevelt-plaats~Jezus-straat:1998年7月)

さて、ここはループの出口です。ループ内は電車も自動車も一方通行ですが、結構自転車も走っています。ちょうど青信号になった時、電車や自動車を追い抜いて自転車が飛び出してきました。
6.7047 (Roosevelt-plaats~Sint-Jacob:1998年7月)

こんどはループの入口から旧市街地に踏み込みました。こちらは道路の両側にビルがビッシリと立ち並んでおり、昼なお暗く異様な雰囲気の場所です。意外と自動車の通行も多く、電車と自動車が並んで走ってきました。この辺はオフィス街ですが、レトロなビルにPCCがお似合いです。