ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第488話 1991近鉄(北勢):モニの生き残りを求めて(その2)

北勢線の走行撮影は、いつも上笠田周辺で行いました。他にも撮影ポイントはありますが、上笠田周辺は障害物もなく落ち着いて撮影できたからですが、現在は上笠田駅が廃止されて、楚原~麻生田間は駅がなく、駅間は3.7kmもあり、非常に不便な場所になっています。

 

1.ク141+サ138+モ276 (上笠田~麻生田:1991年11月)

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 この頃の北勢線は、3連化が進められていました。元々Mc+Tcの基本編成にT+Tcが増結されてラッシュ時などに4連を構成していましたが、これをMc+T+Tcに組み替えて3連化を図りました。

 

2.モ273+サ147+ク143 (上笠田~楚原:1991年11月)

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 ところで、この3連をよく見ると凸凹編成です。デカイMc車のモ270形は北勢線の近代化時に近鉄が新製した車両で、小さいT車とTc車は三重交通から引き継がれた軽便客車が前身です。しかしこの軽便客車は将来の電車化に備えた設計だったので、近鉄に統合された後の近代化であっさり電車(T車又はTc車)化され、こんどはモ270形と3連固定編成を組むことになりました。

 

3.ク141+サ138+モ276 (上笠田~麻生田:1991年11月)

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このT車とTc車もよく見ると車体の形態に種類があります。写真のサ138は妻形状が丸っこく、ク141は平凡な切妻です。これは種車の形態の違いによるものです。

 

4.ク141+サ138+モ276 (上笠田~麻生田:1991年11月)

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 サ130形は、3連化される前は220系の増結車として、T+Tcが2本在籍していましたが、この3連化でばらされてしまい、ついでに車体更新を受けました。元はバス窓のレトロな車両でしたが、ユニットサッシ化されてつまらない車両になりました。更新前のバス窓時代の写真は、第140話をご参照下さい。

 

5.ク141+サ138+モ276 (上笠田~麻生田:1991年11月)

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 Mc車のモ270形は輸送力強化のため、北勢線の車両限界ギリギリで製造されたので、大きく見えますが、これでも車体長は15mです。サ130形やク140形は車体長11mのまさに軽便サイズです。

 

6.ク144+サ135+モ272+ク172 (麻生田~上笠田:1991年11月)

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 旧態編成の4連がやって来ました。モ272+ク172は、まだ旧塗装でした。

その後モ272+ク172は、中間にサ140形を挟んで3連化され、新塗装になりました。