ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第782話 1993年熊本市交:新しいもの大好き

1993年9月は三井三池炭鉱の2度目の訪問を行い、ついでに熊本まで足を伸ばしました。熊本へ向かった目的は熊本電鉄の車庫内入換車として残っていた旧モハ71を見るためでしたが、熊本市内には熊本市交通局路面電車も走っており、正直興味はありませんでしたが、結構写真を撮っていたので、その時の様子をお伝えします。

 

1.1094 (熊本駅前:1993年9月)

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 この日は、熊本駅前のホテルを朝早く出発し、熊本電鉄藤崎宮前へ向かう途中に路面電車の撮影をしました。あまり興味がなかったので、ほとんど撮影の記憶がありませんが、早朝だったのでまだ自動車の交通量も少なく、意外と電車がしっかり撮れていました。

 

2.1092 (電報局前~水道町:1993年9月)

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もともと市電の撮影は予定になかったので、どんな車両が在籍しているのか調べもしていませんでした。あとから分かったことは、この写真の1092は市電の旧塗装車であることでした。すでにほとんどの車両が新塗装の白に緑のラインに変わっており、旧塗装車は貴重な存在だった様です。

 

3.1091 (交通局前~電報局前:1993年9月)

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 写真1の1092は旧塗装でしたが、1091は新塗装です。この頃の熊本市交の電車は、新車以外は皆同じ車両に見えました。一番古い1060形から1350形まで見た目はほとんど変わりません。そして、一番古い1060形が1951年製なので古くありません。

 

4.1094 (電報局前~水道町:1993年9月)

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 1090形(注1)は、1955年~1957年に東洋工機で7両製造された12m級の路面電車です。1080形までは、側窓が木枠の2段窓でウインドシル・ヘッダー付きの旧態然としたスタイルでしたが、1090形は側窓上段がHゴム支持となり、以降、1350形までこのスタイルが続きます。

 

5.1096 (電報局前~水道町:1993年9月)

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(注1)1090形の車歴

熊本市交1091~1095←熊本市交191~195:1957年東洋工機製 

熊本市交1096,1097←熊本市交188,189:1950年東洋工機製 

1090形は元190形と188形でした。いずれも、1968年のワンマン化により1090形に改番されて形式統合されました。188形は180形(後の1080形)の増備車ですが、実質モデルチェンジ車であり、その後製造された190形は188形とほぼ同じスタイルだったことから1090形に包括され、追番の1096,1097になりました。

 

6.1094,8502 (電報局前~水道町:1993年9月)

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 1090形以降、1200形、1350形はほとんど同じスタイルですが、1090形の見分け方は前面右窓のワイパーが、窓の右上に設置されているので、少々困った表情をしています。